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プライバシー戦略責任者に聞く:これがマイクロソフトの考え方

文:Joris Evers(CNET News.com) 翻訳校正:尾本香里(編集部)2006年07月06日 08時00分
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 Peter Cullen氏が引き受けた仕事はあまり感謝されることがない。しかし、引き受けた以上は、是非、楽しみながら進めてもらいたいと願わざるを得ない。

 ここ最近、Microsoftの海賊版対策ツールをめぐって騒ぎが起こっている。この騒ぎで広まってしまった悪いイメージを払拭し、気分を害しているユーザーとの関係修復を図る役目を言い渡されたのがCullen氏だ。

 今回の騒ぎは、WGA(Windows Genuine Advantage)ツールに関してMicrosoftが個人情報の収集状況をユーザーに正しく通知していなかったことが原因となった。マシンを起動するたびにWGAがMicrosoftのサーバに接続して報告を行うという事実をユーザーに公開していなかったのだ。そのため、ユーザーは気分を害し、WGAはスパイウェアと変わらないと主張する批評家まで現れた。

 Cullen氏は、Microsoftのプライバシー戦略最高責任者として、WGAの件に深く関わってきており、この件でMicrosoftは大きな失敗をしたと認めている。同氏はいつも裏方で業務をこなしてきたが、今回の騒動ではからずも表舞台に立たされることになった。

 3年前、カナダロイヤル銀行からMicrosoftに入社したCullen氏は、Microsoftでの自分の役職におおむね満足している。彼の主な仕事は、開発者向けのガイドラインやプライバシーポリシーの策定だ。

 故郷はバンクーバーというCullen氏だが、Microsoftの他の社員と同様、Microsoftという巨大ソフトウェア企業で影響力のある地位に就いていることを誇りに思っている。同氏は現在、長大なセキュリティポリシーを簡略化して読みやすくし、Windows VistaをMicrosoft史上最もプライバシーを重視したオペレーティングシステムにすべく努力を重ねている。

 カリフォルニア州マウンテンビューのComputer History Museumで開かれたプライバシーとテクノロジに関するパネルディスカッションに参加した同氏に話を聞いた。

--Microsoftに移られて、銀行に勤務されていた頃と最も大きな違いは何だと思われますか。

 ジレンマがあることでしょうか。たとえば、Windowsの自動更新などもその1つです。ユーザーのためにも、またコンピュータの利用環境全体にとっても、自動更新をデフォルトで有効にしておくのは良いことだ、と主張することはできます。ユーザーのマシンには、セキュリティ修正プログラムがインストールされているべきだ、とね。しかし、それはわれわれの信じるユーザーコントロールとは相容れない方法です。われわれはユーザーが選択権を持つ必要があると考えています。

--Microsoftで3年間仕事をされてきて、これまでに成し遂げた最も重要な仕事を1つあげるとしたら何ですか。

 プライバシー保護の考え方を企業の業務プロセスに統合したということでしょうか。たとえば、われわれは今、すべての製品とサービスの開発において遵守すべき極めて規範的なプライバシーポリシーの標準を持っています。これらは、独立したチェックポイントとしてではなく、開発プロセス自体に組み込まれています。

--では、あなたが成し遂げたことで、何百万というユーザーがこれから目にすることになるものをあげるとしたら?

 最も分かりやすい例として、公表していたプライバシーポリシーの内容を大幅に変更した点が挙げられます。われわれは、プライバシーの内容を簡潔にし、わかりやすく整理しました。プライバシーポリシーをこのような簡潔な形式にしたのは、おそらく世界でもMicrosoftが初めてではないでしょうか。MSNの場合ですと、2億5千万人の人たちが、この大幅に簡素化されたプライバシーが掲載されているのを読むことができます。このように整理され簡潔にまとめられたプライバシーに関する掲示は、すべてのオンラインサービスで採用されてきており、Microsoft Office 2007でも、パッケージソフトウェア製品としては初めて、この形式の掲示が採用される予定です。

--それは、単に、従来の長い形式のものでは読みづらいからでしょうか。

 プライバシーに関する公示は、とにかくすべての条項を盛り込むという考え方から、大変に長大なものになっていました。MSNの以前の公示は13ページにも及び、ユーザー読んでもらうにはあまりに長過ぎました。ユーザーは個別の情報を求めていたので、そうした情報をエグゼクティブ・サマリーとして1ページにまとめることにしたのです。

--Microsoftは最近、WGAと呼ばれるプログラムの件で騒ぎの渦中にあります。WGAは、ユーザーがPCを起動するたびにMicrosoftのサーバに接続して報告しますが、この事実がユーザーに知らされなかったことが原因です。これについてはいかがですか。

 われわれは、Windowsが正規版であるかどうかの確認について、どのような情報を公開すべきか、どのように告知すべきかを時間をかけて検討していました。ユーザーの情報、少なくともシステム情報がMicrosoftに報告されるのはこの部分ですから。しかし、ユーザーへの通知という側面に関してはあまり考えていませんでした。ユーザー情報がMicrosoftに転送されるわけではないのでプライバシー上の問題はないと思ったからです。

 WGAの根本的な目的と海賊版ソフトウェアの危険性について、再確認しておくことは重要です。多くの人たちはMicrosoftが海賊版を取り締まるのは利益に直接関係しているからだと思っていますが、第一の目的は、ユーザーのセキュリティとプライバシーを保護することです。われわれが行った調査によると、マルウェア(悪意のあるソフトウェア)による被害は海賊版ソフトウェアでより頻繁に発生しています。ユーザーがそうした被害から自身を守ることができるようにしようというのがWGAの意図です。

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