カリフォルニア州マウンテンビュー発--Microsoftは8月に、同社従業員が製品開発に際して従うべきプライバシールールを公表する予定だ。
MicrosoftのチーフプライバシースラテジストPeter Cullen氏は、同社の舞台裏を見せることになる今回の動きについてMicrosoftが考える顧客のプライバシーに対する最善の扱いを実例として示して、業界の手本となることを目指したものだと述べている。
Cullen氏は米国時間6月22日のインタビューで「パートナー企業だけでなく、それ以外の人々にも利益がある情報だと考えている。現在も非常に多くの人が、アプリケーションをビルドしたり開発したりしている。プライバシーに関する開発基準をただ発表するだけではなく、積極的な利用を促して、わが社の得た教訓から他の人々が利益を得られるようにしたい」と述べた。プライパジールールでは、所定の状況(たとえば、アプリケーションがインターネットを通してメーカーに情報を送信しようとするとき)において、ユーザに適切な通知を行い、選択肢を示すことについて、ガイドラインを定めているという。Microsoftは同社が、ガイドラインを公表する最初の大手ソフトウェア企業になると考えている。
「このルールはIT専門家や開発者向けのもので『Xという操作を行うアプリケーションをビルドする場合、しかじかのようにビルドすべきであると考える』といった表現になっている。このパブリックドキュメントでは『すべき』という言葉を多用することになるが、Microsoft社内でその表現は『しなければならない』という意味になる」のだという。
ガイドラインの公表がただちに消費者のプライバシーに効果をおよぼすわけではないが、前向きな進歩であるとプライバシーウォッチャーたちは言う。
Javelin Strategy & ResearchのアナリストJames Van Dyke氏は「Microsoftは、プライバシーの問題がテクノロジープロバイダでどのように処理されるのかに関して、ダイアログの仕組みを改善しようとしている。他のテクノロジー企業は、Microsoftに追従するのか、追従しないのか、同社が提示したのとは異なる立場を提案するのか、いずれかを迫られることになる。そういった動きはすべて、テクノロジーを介した、ユーザーが許容できる個人情報利用の決定に向けて、前進となる」と述べた。
Microsoftは、世界中で統一されたプライバシーポリシーを持っていると、Cullen氏は言う。それにより、プライバシーに関する規制が整っていない国や、規制がまったくない国でも同じポリシーが適用される。
Microsoftのプライバシーに関する評判は良いわけではない。6月初旬に同社は「Windows Genuine Advantage(WGA) Notifications」というツールがプライバシーに反し、PCの起動のたびにMicrosoftに情報を送信することを公表をしなかったとして批判を浴びた。同社は問題を認め、Microsoftへの情報送信の頻度を変更すると発表した。
Cullen氏は「Microsoftには、最大限の透明性を確保するという基本的な取り決めがある。ユーザーへの通知は、これまで軽視されてきた分野で、かなりの改善を進めている。単なる見落としにすぎない」と述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス