Advanced Micro Devices(AMD)は米国時間5月17日、「Turion 64 X2」デュアルコアプロセッサを予定どおりリリースした。これで、AMDはノートPC市場も含めた各分野でデュアルコア化を進めたことになる。
TurionプロセッサはAMDが開発した初めてのノートPC専用プロセッサで、今回リリースされたTurion 64 X2はそれをデュアルコア化したものだ、とAMDのモバイルマーケティングマネージャーであるMatt Mazzantini氏は述べた。Hewlett-PackardやGateway、Acerなどが数週間以内にTurion 64 X2搭載ノートPCを発売する予定だという。
AMDはこの1年間、デスクトップ市場とサーバ市場でIntelを脅かし続け、ノートPC市場でも躍進してきたが、モバイル市場ではIntelが性能とブランド力で優位を保ってきた。動作周波数が同じなら、Turion 64 X2デュアルコアプロセッサは性能面でIntelの「Core Duo」チップにひけをとらないと思う、とMazzantini氏は言う。
だが、AMDのTurion 64 X2とIntelのCore Duoには違いもある。Turion 64 X2はAMDのほかのデュアルコアチップと同様に、メモリコントローラを内蔵し、各コアごとにキャッシュメモリを搭載している。また、Turion 64 X2は、16日に発表されたAMDの新しいアーキテクチャを採用し、DDR2メモリをサポートしている。
ノートPC市場では、動作速度以上に消費電力が重視されるとも言える。AMDによるとTurion 64 X2の最大消費電力は少し高めだが、作業の合間のスリープ状態では、Core Duoよりも消費電力がやや少なくなるケースもあるという。
Intelは8月にノートPC向けの「Core 2 Duo」プロセッサ(開発コード名「Merom」)をリリースする予定だ。Core 2 DuoはCore Duoよりも性能がよくて消費電力が少ないが、AMDのTurion 64 X2やその後継バージョンに対抗できるかどうかはわからない。
Turion 64 X2は、発売が予定されている「Windows Vista」など64ビットのOSやソフトウェアに対応している。こうした機能はCore Duoにはないが、Core 2 Duoには搭載される予定だ。現時点で64ビットのOSやソフトウェアをパソコンで動かしているユーザーはほとんどいないが、Windows Vistaがリリースされれば、状況は変わると見られる。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」