「Intel Core Duo」プロセッサの発売が予想より早まったおかげで、すでに一部のPCメーカーでは同プロセッサを搭載したノートPCの出荷が始まっている。だが、対応に時間のかかる大手メーカー各社では待つことを余儀なくされている。
Intelは今月初旬に開かれた「Consumer Electronics Show(CES)」で新しいCore Duoプロセッサを正式に発表した。Acerとソニーでは、このデュアルコアプロセッサを搭載するノートPCの出荷をすでに開始している。だが、GatewayやHewlett-Packard(HP)、Apple Computer、Lenovo、Dellでは、自社のCore Duo搭載ノートPCについて仕様と価格を発表しながら、まだ製品を発売できずにいる。
CompUSAのコールセンターによると、Acerは「TravelMate 4202」および「8204」というノートPCをCompUSAで宣伝しているが、商品は大半の店舗で品切れ状態だという。CompUSAのウェブサイトには、ソニーの「FE-590」シリーズも掲載されているが、商品は品切れとなっている。ソニーのウェブサイトに掲載されているこれらのノートPCは、3〜5日以内の出荷予定となっている。
DellやGatewayのウェブサイトにある情報によると、それぞれのCore Duo搭載ノートPCは2月の第1週まで出荷にならないと書かれており、またAppleの「MacBook Pro」がApple Storeに並ぶのは2月の第2週になるという。さらに、HPのCore Duo搭載ノートPCは2月24日に発売になると、CompUSAサンフランシスコ店の営業担当者は話している。
Intelは従来、新型プロセッサの割り当てに関して、Dellのような密接な関係にあるメーカーを優先していた。しかし、Intelの計画に詳しい情報筋によると、Core DuoノートPCの発売日が開発プロセス半ばで変更されたため、Core Duo搭載ノートPCの発売競争に関しては自由競争の状態になったという。
PCメーカー各社がCore Duoプロセッサを搭載するには、新しいマザーボードの購入とそれに合わせた設定作業が必要になる。そのため、製品開発チームが新たなノートPCの動作確認をするのに、通常よりも多くの時間が必要になると、Endpoint Technologies Associates社長のRoger Kayは述べている。
しかし、Intelの計画に詳しい情報筋によると、同社は通常9カ月という開発プロセスが始まって約2カ月後の2005年夏、Core Duoプロセッサの発売日を当初目標の3月ではなく1月に前倒しすることを決めたという。新たに導入した65ナノメートル製造技術から予想を上回る結果が出ていることに喜んだIntelでは、2005年第4四半期に同プロセッサを出荷できる状態にあったと、同社の幹部らは12月に述べていた。
また同社は、ノートPC市場でのAdvanced Micro Devices(AMD)との競争による新たな圧力にも直面していた。ノートPC市場は昨年後半まで、同社のシェアを他社が奪えずにいた分野だ。
しかし、Intelがこうした決定を下したことを受け、PCメーカー各社は大慌てでノートPC発売の準備を進め、1月上旬のCore Duoプロセッサ発売後、できるだけ早めに自社製品を出そうとした。Acerのような比較的規模の小さいメーカーではより積極的なスケジュールを実現できたが、DellやHPのような大手メーカーは自社のノートPCの動作確認にそれだけ多くの時間を必要とした。また、これまでは新製品の発表と同時に発売を開始するのが普通だったAppleでも、PC業界の他社と同じように順番待ちを余儀なくされた。
利幅が小さいパソコン業界で製品開発計画を変更すれば、メーカー各社に大きなストレスを与える可能性があると、調査会社NPD TechworldのStephen Bakerは指摘する。デュアルコアプロセッサへの移行は、PCI Expressバスへの移行をようやく終えつつあるPCメーカーにとって、新たな設計上の課題になっていると同氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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