カシオ計算機、携帯機器向け燃料電池に適した発電セルスタックを開発

エースラッシュ2006年05月16日 19時31分

 カシオ計算機(カシオ)は5月16日、22mlの体積で19.4Wの出力を実現する燃料電池用発電セルスタックの開発に成功したと発表した。

 今回開発されたセルスタックは、ノートパソコンなど携帯機器への搭載を想定したものだ。カシオでは小型、高出力の電源を実現するためにメタノールから水素を取り出して発電セルに送る「改質型燃料電池」の開発に取り組んでおり、小型改質器とともに高性能発電セルの研究も実施してきた。

燃料電池用発電セルスタック 開発された燃料電池用発電セルスタック

 このセルスタックはセパレーターとMEA(Membrane Electrode Assembly:膜・電極接合体)で構成される発電セルを20枚重ねた積層構造となっており、ガス封止機構の小型化やメタノール改質ガスの特性に合わせたガス流路の最適化、一酸化炭素に対するMEAの耐性改善、各部材の高密度実装などを行っている。実現された体積あたりの定格出力(体積出力密度)は882W/Lとなっている。

 また、同時に進められていた改質器でも半導体加工技術を応用したマイクロ改質モジュールの開発に成功しており、水素の製造と排気の無害化を行う3つの化学反応器やヒーター・温度センサーなどの1チップへの統合や、6秒間での高速起動などを実現している。また、内部で約280℃の高温を保ちながら外表面温度を40℃に抑える断熱パッケージを備えるなど、実際に携帯機器への組み込みが可能な仕様となっている。カシオでは2007年度を目処に性能評価用のサンプルを出荷する予定だ。

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