サンフランシスコ発--ユーザーはさえないデザインのノートPCにうんざりしていると、Hewlett-Packard(HP)は考えたようだ。
サンフランシスコで米国時間5月9日に開かれた記者会見の席上で、HPは製品デザイン刷新の一環として、7モデルの新しいノートPCを発表した。新モデルの登場に伴って展開される広告キャンペーンでは、「コンピュータが再びパーソナルになる」というキャッチフレーズが使われる予定だ。
HPのPersonal Systems Groupのエグゼクティブバイスプレジデント、Todd Bradley氏は記者会見後にCNET News.comのインタビューに答え「こうした製品をパーソナルなものにするには、(デザインが)どれほど重要かを認識した結果、今回のモデルが誕生した。自社製品を差別化するためにわれわれは数多くの手段を使っているが、これもその1つと言える」と語った。記者会見は、HPが主催する「Mobility Summit」の中で行われた。
ノートPCはここ数年間、PC市場の成長を支える原動力となってきた。最近まで、顧客は価格の下落やWi-Fiチップなどの新しいテクノロジに注目し、デザインにはそれほど気を留めていなかった。しかし、今やノートPCがごく一般的に使われるようになったことで、HPのようなマスマーケット向け製品を販売する企業にとっては製品の外観の持つ重要性が高まっている。
デザインやスタイルをいっそう重視するHPの姿勢の1つの表れが、9日に発表されたコンシューマー向けノートPCの新製品だ。その1つ、「HP Pavilion dv2000」は14.1インチのワイド画面を備え、既に発売されているIntelの「Core Duo」プロセッサ、および今後発売予定のAdvanced Micro Devices(AMD)のデュアルコアチップ「Turion 64 X2」に対応するものの、スペック的には特に目を引くものはない。これに対し、トップカバー部分は鏡面仕上げで、かすかに波型の模様が刻まれているという凝った作りだ。この外観は、日本写真印刷という日本の企業の手によるものだ。この企業は、デザイン性の高い携帯電話用パネルや高級車の内装を製作している。
このデザインは、自分の好きな絵をトップカバーに描いてもうといった、完全にカスタマイズされたノートPCに比べると派手さはないかもしれない。だが、スマートさを醸し出すデザインだと、HPのシニアバイスプレジデントでノートPC部門のゼネラルマネージャーを務めるTed Clark氏は言う。
しかし、製品デザインとは外観だけではないと、HPのマーケティング担当バイスプレジデントJohn Dayan氏は主張する。重さ、耐久性、人間工学など、ホームユーザーにとってもビジネスユーザーにとっても大切な要素への配慮が、製品デザインには必要だというのだ。また、IDCのアナリストBob O'Donnell氏は、Apple Computerは、派手ではないがはっきりとした主張があるノート型パソコンのデザインで、「Windows」PCの世界にも影響を与えてきたのは間違いないと指摘している。
HPは、ノートPC全般について、電源ボタンの位置や上面のラッチといった特徴の出やすい部分に共通デザインを採用した製品シリーズを展開する予定だと、Dayan氏は述べた。
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