Sun Microsystemsの会長Scott McNealy氏は、Sunの復活がもっと確かなものとなるまで、最高経営責任者(CEO)の座をJonathan Schwartz氏に譲ることはなかっただろう。
しかし、McNealy氏は今が好機だと考え、米国時間4月21日には取締役会もそれに同意した。こうして、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くサーバ・ソフトウェア企業Sun Microsystemsは、22年に及んだMcNealy氏の時代に幕を降ろした。
投資家はもう何年もの間、財務状況の立て直しと株価の引き上げをMcNealy氏に迫ってきた。ドットコムバブルが崩壊すると、その圧力はさらに強まった。Sunの創業メンバーでもあるMcNealy氏は、必要な作業はほぼ完了し、これからはSchwartz氏が実りを収穫をする番だと語る。
新CEOのSchwartz氏は、1996年に自身の新興企業Lighthouse DesignがSunに買収されたのを機にSunに入社した。その後は出世階段を駆け上り、2000年には企業戦略担当バイスプレジデント、2002年にはソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデントに就任し、2004年には社長兼最高執行責任者(COO)に抜擢された。
CNET News.comのStephen ShanklandはSunの2人のリーダーにインタビューを行い、今回の交代劇について話を聞いた。このインタビューはSchwartz氏のCEO就任が発表された数時間後に行われた。
McNealy:次期CEOがすべての勝利と栄誉を手にできるようにすることが、私に残された責任だと思ったからです。4年後には、会社が大きく飛躍する時期にJonathanを選び、育て、導き、指導したことが、私の大きな功績として記録されるでしょう。私はSunの最大の個人株主であり、すでに大量の株式を保有しています。取締役会会長でもあります。売り上げが伸びれば、チーフ・エバンジェリストである私の手柄にもなります。
(Jonathanは)会社の安定と問題解決に全力で取り組んできました。私はもう栄誉は要りません。これまでの24年間で十分です。これからの24年間は、これまでの24年間よりもさらに満足のいくものとなるでしょう。
McNealy:Jonathanにはこの3つを片づけてから辞任したいと伝えてありました。データベースのオープンソース化戦略はぜひ達成したかった。StorageTekとSeeBeyondの買収も完了しました。組織改編も行いました。ただ、FAS 123R(ストックオプションの会計基準)、買収関連の会計処理、営業権償却といった未知の要素もありました。こうしたものが数字に大きな影響を及ぼしました。
後は現在の戦略に微調整を加えていくだけです。Jonathanは強力な執行能力と創造性を武器に開発者の支持を獲得し、当社が構築してきた巨大なコミュニティを、経常収益を生み出すサブスクリプションモデルに転換していくでしょう。
Schwartz:当社の前にある市場機会を、私はとてもシンプルに捉えています。それは、「ネットワークこそコンピュータだ」というものです。
これからの20年は、これまでの20年にもまして、この言葉が真実となるでしょう。需要の心配はしていません。問題は、この需要をSunが確実に獲得できるかどうかです。われわれは型破りの方法--ソフトウェアの無料ダウンロードや、ウェブ上でサーバを無料で試用した後、購入できるようにするといった方法で、これを実現していくつもりです。
この業界には、他の業界にはない特徴があります。それは、われわれが生きている限り、ネットワークコンピューティングに対する需要は衰えないということです。来年、ネットワークイノベーションやネットワークサービスに対する需要が減ることはありません。どの企業でも、顧客は拡大するはずです。今日では石油企業ですら、需要プロフィールをあてにすることはできません。燃料電池やエタノールなど、さまざまな代替燃料が台頭しているからです。それに対して、私はインターネットに代わるものが登場し、われわれをお払い箱にするのではと恐れる必要はありません。
今後も基本戦略は変わらないのかというご質問についてですが、10年前も今日も「ネットワークこそコンピュータだ」というテーマは変わらないかもしれませんが、それとロードマップはまったく別の問題です。
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