Sun Microsystemsの共同創業者であるScott McNealy氏が同社の最高経営責任者(CEO)を辞任し、後継には現在社長を務めるJonathan Schwartz氏が就任したと、同社が米国時間24日に明らかにした。
今後は会長として同社にとどまるMcNealy氏は、Sunを24年前に立ち上げた4人の共同創業者の1人で、これまで22年間にわたってCEOを務めてきた。CEO就任後の同氏は、コンピューティング業界の変化を巡って強い発言力を持ち、流れに逆行する意見も多かったが、近年ではそのビジョンが同社のビジネス面での成功に結びついていなかった。
McNealy氏は電話会議のなかで、「Jonathanは超一流の経営者になっており、準備も整っている」と語った。同氏はさらに、このトップ交代は予め計画されていたことであり、「これは私が(General Electricの)取締役を務めていた当時から進めてきた引き継ぎプロセスの一環だ」と付け加えた。
Schwartz氏が電話会議のなかで、「技術的な業績や顧客実績が妥当なレベルに戻ったため、成長と財務成績をさらに重視していく」と語った。「私の指揮下では、業務拡大、新規顧客の開拓、世界中での新しい機会開拓にさらなる重点を置いていく」(Schwartz氏)
IlluminataアナリストのJonathan Eunice氏は、今回のSunの動きについて、スポーツチームのオフェンスコーチがヘッドコーチに抜擢されたようなもで理にかなっていると述べている。「Jonathanはしばらく前から実質的に指揮を執っている」(Eunice氏)
ここ数週間は、各所でMcNealy氏辞任のうわさが絶えず、最高財務責任者のMike Lehman氏が復帰し、「すべてを新たに見直す」と宣言したことで、それに拍車がかかっていた。
今後はLehman氏、Schwartz氏、そしてMcNealy氏が7月からの次期会計年度に向けたSunの選択肢について評価を進めるなか、ほかにもいくつかの変更が行われることになる。しかし、大規模なレイオフによる大幅なコスト削減を叫ぶ投資家は落胆する可能性が高いと、Schwartz氏は語った。
Sanford C. BernsteinのアナリストToni Sacconaghi氏は電話会議のなかで、「20%以上という大幅な人員削減が必要になる、もしくは実施される気運がある」と語った。
Schwartz氏はこれに対し、「そのような計画は一切ない」と述べた。
McNealy氏は、Clark Masters氏の跡を継ぐ形で、子会社のSun Federal会長に新たに就任するなど、Sunには積極的にかかわっていくという。また、同氏は業界における自身の役割に愛着を感じている。
McNealy氏は声明のなかで、「Sunには1982年からずっと愛情を注ぎ込んできたし、22年間そのCEOを務めてこれたことは光栄であり名誉だった。われわれは、今日の業界を形成する一助となってきた。そして、目の前には測り知れないチャンスが広がっている。円滑な移行と、会社の戦略をめぐって引き続き会長としてJonathanに協力できることを楽しみにしている」と述べている。
McNealy氏は合理化と大規模買収に触れながら、「Jonathanは、Sunに入社した1996年以来、Sunの原動力となってきた」と語った。
しかし、Pund-ITのアナリストCharles King氏は、McNealy氏の辞任がSunのここ数年の不振と切り離せないことを示唆する。「同社の業績が数年前から相変わらず芳しくないことを考えると、同氏が魔法でも使わない限り、これは予測できる結末だった。会社をMcNealy氏のように公な形で経営をすれば、標的になりやすくなる」(King氏)
Ed Zander氏が2002年にSunの社長兼COO(最高業務執行責任者)を辞任したときは、一部に型にはまった交代を求める声があった。しかし、Schwartz氏にもMcNealy氏と同じ独自路線が取られた。McNealy氏は電話会議のなかで、「Jonathanと私は緊密に協力している」と語っている。
McNealy氏は、ドットコムバブル期を通じてSunを率いてきたが、同社は安定成長も黒字化も再現できずにいる。
なお、株主はこのニュースを明らかに好感しており、Sunの株価は約8%高の5.37ドルまで値上がりした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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