[ニュース解説] Sun Microsystemsは米国時間4月24日、これまで22年間にわたって最高経営責任者(CEO)を務めてきたScott McNealy氏に代わって、Jonathan Schwartz氏が新しいCEOに就任すると発表した。同社の今後に関する両氏の見解にはほとんど違いがないが、その予測が実現するかどうかはまた別の話だ。
両氏によると、McNealy氏がCEOを退いて会長職に専念し、Schwartz氏が同社の指揮を執ることになっても、Sunの戦略はこれまでと変わらないという。Schwartz氏は24日、同社には主要な研究開発予算の削減や大規模な人員削減を行うつもりはないと語った。
しかし、社外の一部には、今回の発言を疑問視する意見もある。McNealy氏は長年、コスト削減を叫ぶ投資家の圧力に耐えて自らの方針を貫いてきたが、Schwartz氏はいずれ、前任者とは異なる打開策を示すだろうというのだ。Sunが不安定な利益と売上の伸びに悪戦苦闘するなかで、同社の株価は低迷を続けているが、Schwartz氏は24日にそうした状態も今後は変わっていくと約束した。
「Jonathanは、Sunが長年必要としてきた容赦ないコスト削減に、いっそう積極的な姿勢を見せるだろう」と、Technology Business Researchのアナリスト、Martin Kariithi氏は述べている。同社の販売管理費は売上の32%を占めているが、この割合は高すぎる。どんなに多くてもこの半分に抑えるべきだ。同社は今後、大規模な人員削減を迫られるだろう」(Kariithi氏)
ここ数カ月間を見れば、投資家の積極的な買いでSunの株価は上昇している。しかし、同社の現在の評価額は、約3万8800人いる従業員の25%以上にのぼる大規模な人員削減を見込んだものだと、Sanford C. BernsteinのアナリストToni Sacconaghi氏は考えている。「今のところ削減率は10%から15%(3800人から5700人)になる可能性が高いが、今の投資家たちの期待に応えるにはそれでも十分ではないかもしれない」と、Sacconaghi氏は25日に発表したレポートの中で述べている。
Schwartz氏は、Sunが「慎重に、責任を持って・・・すでに意味の無くなった投資を縮小している」と言う。一方で同氏は、大規模な人員削減の「計画などはない」とも述べている。同氏は、収益性を上げる手段として、コスト削減ではなく売上を伸ばす方向に注力したいとの意向を示した。「われわれは、コスト削減と同程度に売り上げ増加にも注力していく」(Schwartz氏)
だが、同社の技術戦略はさほど混乱していないのかもしれない。実際、Sunではほぼすべてのソフトウェアをオープンソース化するという幅広い取り組みを進めているが、こうした戦略の大半には既にSchwartz氏が関与している。Schwartz氏は、McNealy氏がトップ交替の準備を徐々に進めるなか、2年前から社長兼COO(最高業務責任者)を務めてきている。
そして、Sunの上層部はすでに、新CEOが選んだ幹部で固められている。社長に昇進した2年前、Schwartz氏には幹部を好きなように任命する権限が与えられた。同氏は、2004年に行われたインタビューのなかで、Sunのサーバグループ再編に関して、「自分の指揮下に入る幹部については私に任命権がある」と語っていた。
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