Sun Microsystemsがインテグレーションを専門とするSeeBeyondを現金3億8700万ドルで買収し、自社のソフトウェア製品ラインアップの増強を図ろうと計画している。
Sunは米国時間28日、27日に1株3.28ドルの終値を付けたSeeBeyond株に対し、29.6%のプレミアムを支払うことを発表した。買収は、今秋にも完了する予定。
Sunの幹部らは、SeeBeyondのソフトウェアはSunの「Java Enterprise System」製品ラインを補完するものになると述べている。
米国時間28日、SunのCOOであるJonathan Schwartzは電話会議において、「ソフトウェアは大幅な増収を続ける最先端のビジネス分野だ」と発言した。
Schwartzはまた、特に企業顧客は、異なるシステム同士を接続し、ネットワークアクセスの安全性を保つためのソフトウェアを必要としていると指摘した。「こうした問題を解決できれば、インフラストラクチャを拡充しようという大規模な動きが直ちに現れるようになるだろう」(Schwartz)
SeeBeyondのJavaベース統合ソフトウェアおよびツール群は、Sun Java Enterprise Systemサーバソフトウェアスイートの6番目のサービスとしてリリースされる。過去2年間、南カリフォルニアに拠点を置くSeeBeyondは、同社のプロプライエタリなアプリケーション統合ソフトウェアを標準仕様のJavaアプリケーションサーバ上で稼働させられるよう、製品の改変に努めてきた。なお、同社は1989年に設立されている。
SeeBeyondの買収で、Sunは同社のJavaサーバスイートにすぐれた統合製品を投入できることになる。以前から同スイートには、こうした分野の強力な製品が欠けていた。Sunは27日に、「Sun Java Enterprise Service Bus」をオープンソースとして公開することも明らかになっている。同Javaサーバは、新たな標準仕様Java Business Integrationに基づいて設計されるものだ。
SeeBeyondの買収とEnterprise Service Busによって、Sunのインフラストラクチャサーバ製品群の完成度は高まり、ミドルウェア市場を率いるIBMやBEA Systems、Microsoftなどの企業に対する競争力も向上すると考えられる。だが一方で、Forrester ResearchのアナリストMike Gilpinは、SeeBeyondの買収がマーケットシェアの大幅な拡大につながるとは限らないと釘を刺す。
「Sunには、こうしたプラットフォームスイート製品を購入しようと考えたユーザーが、すぐに連絡を取ることのできるベンダーの用意がない。確かに今回の買収は相応の影響力を発揮するだろうが、それもほんの一部分でのことに過ぎない」(Gilpin)
SeeBeyondの2004年の売上は1億6300万ドルで、減収となった2002年および2003年と比べ、やや回復している。
また2004年には、SunとSeeBeyondはRFID(無線認識)技術に関する提携を結んでいる。
SeeBeyondの買収は、Sunが6月に入って発表したStorageTekの取得に続くものだ。SunのCEOであるScott McNealyは、米国時間28日に行われた電話会議で、Sunは今後も他企業の買収を続ける予定だと述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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