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フリーソフトウェア界の白馬の騎士 - (page 5)

文:Ingrid Marson(ZDNet UK)
翻訳校正:坂和敏(編集部)
2006年04月18日 17時59分
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--実際のところ、特許がフリーソフトウェアに影響を与えることはあるのでしょうか。企業がフリーソフトウェアを使用したために特許を侵害し、特許使用料の支払いを求められたという話はほとんど聞きませんが。

 特許保有者が、いきなり利用者に対して特許使用料の支払いを求めることはまずありません。彼らはディストリビュータに対して特許料の支払いを求めます。というのは、ディストリビュータは特許使用料をソフトウェアの価格に含めることができるからです。フリーソフトウェアに賛同しない人たちが保有している特許の使用料を、フリーソフトウェアのディストリビュータが支払うことがあるのかと思われるかもしれませんが、実際にそうしたケースは発生しています。しかし、特許使用料を支払っている人たちがすべて、そのことを公にすることに関心があるわけではないのです。

 私は、ここまで問題を大きくしているのは特許使用料の額ではないと思っています。問題は、不透明さです。ソフトウェア特許で問題となるのは、使用しているソフトウェアが一体いくつの特許を侵害しているのか知る方法がないという点です。たとえば、糸車などに特許が適用されている場合であれば、大量生産に入る前に、いくつの特許に抵触する可能性があるかを明確に知ることができます。しかし、1つのソフトウェア製品が抵触している可能性のある特許をチェックする方法はありません。

 プログラミングというのは技術を蓄積するプロセスですから、これまでに蓄積された技術を使用しない全く新しいコードなど存在しないと言ってもよいと思います。しかし、自販機にコインを入れると出てくるチューインガムのようにポンと渡されるのではなく、本当に狭い範囲のみにソフトウェア特許が適用される場合でも、コンピュータプログラムを書く際には特許侵害のリスクが伴います。

--昨年、欧州議会で、ソフトウェア特許法案が否決されました。このことは、ソフトウェア特許に対する姿勢が変わる兆候だとお考えですか。

 あのソフトウェア特許法案が否決されたことは、それまで特殊な分野と思われてきたことを公に知らしめるという点で大きな意味がありました。あの法案の否決によって、特許というものは、交通、医療、教育などと同じように、政治が関わるべき問題なのだということが明らかになったからです。

 特許に対する姿勢が変わってきているかという点については、まだ分かりません。今から50年後、100年後には、アイデアを所有するという考え方に対する不快感が強まり、特許制度は存在しなくなっているでしょう。しかし、それには今特許について何も知らない人たちの側から、大規模な変革を起こす必要があります。

--Bill Gates氏をはじめとするさまざまな人たちが、フリーソフトウェアの動きを反資本主義であるとして非難しています。これについてはどうお考えですか。

 われわれが反資本主義だというのはばかげています。フリーソフトウェアは決して反資本主義などではありません。資本主義はフリーソフトウェアを利用して大金を稼ぎ出しており、フリーソフトウェアを開発・改良するために必要な費用、またフリーソフトウェアを守るための弁護士費用を自主的にわれわれに提供しています。

 しかし、一部の人たちが、知識を所有物とすることに決めました。それは資本主義などではなく、強欲な計略でした。そこには、規範として受け入れられるものは何も存在しませんでした。言論の自由、アイデアの自由に反した行為でした。われわれはそれに従うことを拒否しました。というのは、そうした考え方は人々が良いアイデアに接する機会を奪うことになるからです。

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