これは、とりわけデジタルの世界にとっては良くないことです。アナログの世界では、書籍やテープといったモノを作成するために資金を集める必要がありますから、人々をアイデアから締め出すのは道理にかなっています。つまり、「このカセットテープを作るには1ドルかかる。だから1ドル支払ってくれなければ、もう1つカセットテープを作ることはできない」と人々に言う必要があります。ところが、デジタルの世界では、限界費用というものが存在しません。最初の1つを作成すれば、あとは何百万個でも費用ゼロで作成できます。ですから、最初の1回分だけの費用を支払えば済みます。
『The DotCommunist Manifesto』という雑誌に寄稿したことがあるというだけで、私のことをDotCommunistと呼ぶのはどうかと思います。
寄稿した論文の内容は共産主義宣言を拝借するような複雑な内容ではありません。しかし、そうした雑誌に寄稿しただけで「あいつはDotCommunistだ」と言われてしまう。私が、「Anarchism Triumphant: Free Software and the Death of Copyright(アナーキズムの勝利:フリーソフトウェアと著作権の消滅)」などと題する記事を書けば、おそらく私が無政府主義者であると言い出す人がいるに違いありません。
しかし、そうした記事を書いたからといって、実際にそうした思想を持つ人間になるわけではありません。私が"Die Gedanken Sind Frei"(ドイツ語の歌。「思考は自由であり私の思考はすべて私のものである」という意味)とつぶやいたところで私がドイツ人になることはありません。単に、ドイツ語の古い歌を歌っているだけです。
自由を求めるわれわれの計画が他の人たちの計画にくらべて成功を収めたのは、概念の実証、規範の実行、協力の要請という一連の活動を含んでいたからです。すなわち、まず基本理念を確立し、それが機能したら、人々に参加を求めてよりよいものにしていく。われわれが成功したのはこの一連の活動のおかげです。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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