2006年第1四半期のPCの小売販売が極めて堅調であることが、アナリストの報告で明らかになった。ノートPCは堅調な成長を維持しており、デスクトップPCも多少盛り返しを見せた。
ノートPCの売上高はここ数年、PC市場を牽引してきた。NPD TechworldのSteve Baker氏は、ノートPCの売上高がいずれ軟調傾向になると予想していたが、2006年第1四半期ではその予想は外れた。2006年第1四半期における小売店でのノートPCの売上高は、東芝のような一部のベンダーの強気な価格設定の影響を受け、前年同期比50%増となった、とBaker氏は述べた。
しかし、小売店でデスクトップPCの人気が完全になくなったわけではない、とCurrent AnalysisのアナリストSam Bhavnani氏は指摘した。過去いくつかの四半期において、小売店でのノートPCの売上高はデスクトップを上回っていたが、第1四半期のデスクトップの売上高はノートPCとほぼ同じくらいにまで回復した、と同氏は述べている。
「スペックが需要を刺激している。消費者はどちらかと言えば、購買欲をそそる値打ち品を購入している」とBhavnani氏は述べる。現在では、1GBのメモリを持つPCは珍しくなく、120GB以上のハードドライブはいたるところにある、と同氏。
第1四半期は通常、年末商戦の買い物客がPC会社やチップ会社の業績を最も高める第4四半期に比べてやや軟調となる。2006年、第4四半期から第1四半期にかけての落ち込みは例年に比べてやや顕著で、売上高が予測を下回るだろうとIntelが3月に発表したことにも影響を与えている。ただし、PC出荷台数が前年度比で19.4%増だった2005年の第1四半期と比べると、2006年は28%増となっている。
PC市場は、PCベンダーにとって第3四半期までは成長が望まれ、その後Microsoftの「Vista」発売延期の影響が明確に現れるだろう、とBaker氏は予測する。一部のアナリストは、延期の全体的な影響は控えめなものと予想しているが、懸念を示すアナリストもいる。
Current AnalysisおよびNPDは、Dellの売上高や他のPCベンダーの直販を除く米国の小売市場を調査している。その指標は往々にしてPC市場全体に現れる消費者のトレンドを示している。
そのトレンド状況は、Intel、Gateway、Apple Computerなどを始めとする会社の第1四半期の決算書が公開される次の数週間でより明確になるだろう。先週前半に公開されたAdvanced Micro Devicesの四半期決算は、Intelのシェアに食い込んでデスクトップおよびノートPCのシェアを伸ばしたため、依然として堅調だった。2大PCベンダーのDellおよびHewlett-Packardは、他の会社とは別のスケジュールで同社の業績を報告している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。 海外CNET Networksの記事へ
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