2005年世界PC出荷台数、16.4%増で予想を上回る--ただし2006年は鈍化の見通し

文:Michael Kanellos(CNET News.com)
翻訳校正:尾本香里(編集部)
2006年01月19日 15時20分

 IDCは、ノートPCの売上増加やマシンの低価格化といった傾向がけん引し、2005年の世界PC出荷台数が16.4%増加したと発表した。ただし、この成長率も、2006年は落ち着くことになりそうだという。

 IDCのLoren Loverdeによると、2005年のPC出荷台数は年間を通して、アナリストの予測を上回ったという。IDCは2005年、数回にわたって出荷台数予測を上方修正している。第4四半期および通年の出荷台数は、11月にIDCが発表した出荷台数予測をも上回っていた。

 同調査会社が発表した調査結果によると、2億860万台のデスクトップ、ノートPC、x86サーバが2005年通年で工場から出荷されたという。これにより、世界売上は2004年の2000億ドルより9%多い2180億ドル近くになったと見られる。

 ただし2006年は、PCの売れ行きが鈍化しそうだ。Loverdeによると、世界PC出荷台数の伸び率は10.5%にとどまり、売上高も3.6%増の2260億ドルになる見通しだという。

 「成長率が減速する背景には、金利や住宅費、燃料費の上昇といった要因がある」とLoverdeは述べる。ただし、こうした要因による影響は2005年にさほど見られなかったため、2006年についても心配する必要はないかもしれない。「(2005年の)第4四半期の結果には、こうした不安定要素に対する反応があまり見られなかった」(Loverde)

 第1〜第3四半期と同様に、ノートPCの売上や、割引価格の適用、新興市場での販売が第4四半期の売上をけん引したようだ。第4四半期の世界出荷台数は、17.1%増加した。IDCは11月、第4四半期の成長率が15.8%になるとの予測を示していた。

 企業別にみても、市場をリードする企業がさらにその地位を固める傾向が見られたため、ランキングにはほとんど変化がなかった。相変わらず世界第1位の地位につけているDellの世界出荷台数は第4四半期に20.1%、年間では18.8%増加している。同社の2005年第4四半期における市場シェアは、前年同期の17.7%から、18.1%に増えた。

 Dellは市場全体の成長率よりもほんのわずかに高い成長率しか示せなかった。これは同社としては珍しく低い成長率である。ただし、Dellは、アジアなどの急成長市場では良い業績を上げているとLoverdeは述べる。アジア地域におけるDellの出荷台数は第4四半期に49%も増えている。これはアジア地域の市場成長率よりも高い数字だ。Dellは第4四半期に、国際市場向けの出荷台数を37%増やしている。

 世界第4位につけているAcerの出荷台数は、第4四半期に52.5%、通年では53.9%成長している。Acerは4.1%の世界市場シェアを獲得し、この2年間は他に類を見ないほどの速さで成長している。Acerの成長をけん引しているのは、欧州市場での販売だ。

 世界および米国市場で第2位につけるHewlett-Packardと、世界第3位のLenovoは、市場全体よりも低い成長率を見せている。

 HPの世界出荷台数は第4四半期に15.8%の伸びを示したが、これは市場全体の17.1%を下回る数字だ。また通年では、同社の世界出荷台数は15.7%増加したものの、これも市場全体の16.4%より低い数字になっている。米国における第4四半期の出荷台数は市場全体で8.7%増加しているのに対し、HPの成長率は6.7%に留まっているほか、通年でも、HPは7.3%しか出荷台数を伸ばせずに、市場全体の成長率10%を下回る動きを見せた。

 Lenovoの世界における第4四半期の出荷台数は、2005年にIBMから買収したPC事業部門の数字も含めると、12.6%伸びたことになる。Lenovoと旧IBM PC事業部門の出荷台数は、通年で5.1%減少している。もっとも、過去には、企業買収を行ったためにもっと大きく市場シェアを失った企業もある。

 PC市場が成長したことによる恩恵を受けた企業として忘れてはならないのがAdvanced Micro Devices(AMD)である(関連記事)。この点については、Intelの幹部さえも、AMDにシェアを奪取されたことを認めている(関連記事)。

 米国での市場動向はさほど代わり映えしていない。相変わらずトップの地位につけるDellは、市場シェアを33.5%まで伸ばした。またHPも引き続き第2位の座を獲得している。Gatewayは出荷台数を33%伸ばして、市場シェア6.6%を獲得し、第3位につけた。なおGatewayの前年の市場シェアは5.1%だった。

 東芝はApple Computerを抑えて3.5%の市場シェアを米国で獲得し、第5位につけた。IDCのアナリストDavid Daoudによると、東芝ではノートPCの販売が順調だったという。東芝は、米国市場で定期的にトップ5入りを果たしている。

 しかし、通年では、Appleの方が東芝より高い市場シェアを獲得している。Appleおよび東芝の通年におけるシェアはそれぞれ3.3%、3.2%だった。Appleの出荷台数成長率は、Gatewayよりわずかに低い32%だった。

この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ

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