2006年トリノで開催された冬季オリンピックでは、レノボがオリンピックパートナーとして、デスクトップパソコン、ノートパソコン、プリンタ、サーバなどのコンピュータ関連機器を提供し、開催期間中故障ゼロという目標を達成した。
同社は3月9日、これを記念した祝賀会を社内で開催しており、その様子をCNET Networksのグループ会社であるCWEEKをはじめ、中国各紙が報じている。
CWEEKの4月3日付けの記事では、この祝賀会の席上で、副会長の李嵐氏が、トリノ五輪を通じてレノボの得た経験として以下2点を挙げたと報じている。
まず1つ目に同氏が挙げたのは、2008年北京オリンピックに向けた人材と経験の蓄積だ。史上最大規模の冬季五輪と言われるトリノオリンピックは、ITシステムに対する条件が厳しく、世界でもっとも複雑なITシステムの1つが運用されたと言っても過言ではない状況だった。レノボはトリノオリンピックに100人を上回るエンジニアを派遣し、2回の大型予行演習や16回のテスト、100回以上にわたるシミュレーションを行った結果、17日間に渡る大会期間中、レノボから提供されたすべての製品やサービスが故障ゼロという優れた性能を示すことができた。同社は最終的に、国際オリンピック委員会及びトリノオリンピック組織委員会から厚い信頼と高い評価を得ている。トリノ五輪を通じて人材を育成し、多くの経験を得たことで、2008年の北京オリンピックに向けて最高の予行演習ができたというのが、レノボの認識のようだ。
2つ目に同氏が挙げたのは、レノボが世界中で知名度を上げられたことである。トリノオリンピックに先立って行われたレノボが行った調査では、世界中の大口企業顧客のレノボに対する認知度がわずか5%〜10%と低い水準にあることが判明したという。そのため、知名度を急ピッチで向上させ、全世界にブランドを浸透させることが、今回のトリノオリンピックに際して、レノボが掲げた目標の1つであった。製品やサービスをオリンピックに提供したことに加えて、期間中に、五輪限定製品を発表したり、限定販売したりしたことや、選手や報道陣向けにインターネットラウンジの設置したことなどで、同社は、トリノを舞台にブランドをアピールし、国際市場への影響力を高めることに成功したと振り返っている。
レノボの副会長で、大中国地区総経理を務める陳紹鵬氏もこの祝賀会の席上で、今回の大会を振り返り、オリンピック精神とともにレノボ文化がレノボの世界中の社員(その数は2万人にものぼる)に浸透したと述べている。優れた経験とチームワークを擁するレノボが、2008年北京オリンピックという更に大きな舞台でも、活躍が期待できそうだというのが、CWEEKに限らず、各紙のレノボに対する評価のようだ。
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