日立製作所は10月17日、ドアハンドルを握る指の静脈パターンで本人認証できるグリップ型の指静脈認証技術を発表した。今後、自動車や住宅に向けた応用を目指し、実用化を進めていく。
この指静脈認証技術は装置をドアハンドルに組み込んでおり、ドアハンドルを握るという自然な動作だけで認証できる。認証のために特別な操作は必要なく、鍵の携帯や暗証番号の設定が不要になるなど利便性が高い。
ドアグリップを握るだけで認証される |
従来の指静脈認証方式は指の腹側にある静脈パターンを利用して認証するが、何かを握った状態だと指の変形や血管の圧迫でパターンが不安定になり、判定が難しい。それに対し、グリップ型指静脈認証技術は、握ったときに安定する指の甲側の静脈パターンを認証に利用する。ハンドルを握ることで光源と指が密着するため、明るく鮮明な静脈画像が得られる効果もある。
また、握ったときに指の同じ部分が毎回撮影されるよう、ドアハンドルの形状を工夫した。これに画像処理による正規化補正技術を組み合わせることで、安定した認証を可能になった。
同社は、10月22日から11月6日まで幕張メッセで一般公開される第39回東京モーターショー2005において、自動車のドアハンドルに組み込んだ同認証技術を出展する予定だ。
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