--今後、携帯電話を標的とした攻撃は増えると思いますか。
スパムや個人情報の不正取得に関しては、すでに多くの国で携帯電話を標的とした攻撃が始まっています。これらの国では、PCの分野で急務とされてきたことが、携帯電話の分野でも求められるようになっています。PCに比べると、ソフトウェアの種類が少ないため、それほど深刻ではない問題もありますが、それ以外の問題--たとえばスパムや個人情報の不正取得などは、ある意味ではPCよりも深刻です。攻撃者はその他のデジタル機器と同様に、モバイルネットワークのあらゆる弱点を悪用しようとするでしょう。
--Microsoftは(たびたび)音声認識に言及してきました。これからの数年で、ハイエンドのスマートフォンではどんなことが可能になると思いますか。
Windows Mobile 5.0の統合音声コマンド機能は、その端緒を開くものとなります。もちろん、認識可能な語彙は限られていますが、「次の予定は?」といったコマンドはすでに認識することができます。メモリが増え、処理能力が高まれば、音声認識の性能も向上し、いずれは自分の音声をどのように認識させるかを設定できるようになります。携帯電話に蓄積された音声に関する情報はPCに統合され、PCの性能を高めます。その逆もしかりです。
--Microsoftは音声認識だけでなく、正確な位置情報サービスの可能性にも言及してきました。これが実現すれば、友人の居場所を携帯電話で調べることも可能になりますね。
Windows Mobile 5.0の新機能のひとつに、Location API(application programming interface)というものがあります。これはGPSの位置情報を取り込むもので、あなたが自分の居場所を友人に公開することを選択し、友人があなたに自分の居場所を公開することを選択していた場合は、画面に地図が表示され、お互いの居場所を確認できるようになります。
このシナリオは爆発的に普及し、ごく当たり前のものとなるでしょう。いずれは誰もが地図上で手軽に位置情報を確認できるようになるはずです。
--Microsoftは携帯電話市場に進出したとき、興味深い選択をしました。当時、第一種通信事業を許可されている携帯電話メーカーは数えるほどしかいませんでしたが、Microsoftは台湾などでPCを製造している委託製造業者にアプローチしました。この時点で、Microsoftは通信事業者がゲートキーパーであり、この市場に参入する糸口になると気づいていたのでしょうか。
確かに、われわれは携帯電話メーカーと非常に重要な関係を構築し、(携帯電話メーカーの)数を増やす努力を行いました。SamsungはWindows Mobileを搭載した携帯電話の発売計画を発表しています。しかし、当社のソフトウェアを搭載した携帯電話を最も多く開発しているのは、HTCというアジア企業です。HTCの活動は多岐にわたりますが、そのひとつは通信事業者のニーズに迅速に対応することです。
ご指摘の通り、まずは通信事業者との関係を構築することが重要です。これは必須条件でもあります。当社は通信事業者から寄せられるカスタマイズ関連の要望に手作業で対応してきましたが、この作業には膨大な時間がかかっていました。
Windows Mobile 5.0ではカスタマイズ機能を強化し、通信事業者が自社のブランドに合わせて、簡単にカスタマイズできるようにしました。カスタマイズに要する時間を短縮するためです。通信事業者をサポートすることは、この戦略の一環です。
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