--Microsoftはこの数カ月で、モバイル関連の契約をいくつも結びました。その多くはライバルと提携するというものです。最近ではSymbian、Nokia、PalmOne、そしてRIM(Research In Motion)と携帯端末用インスタントメッセージの契約を結びました。これはどういう戦略によるものなのですか。
まずは、社内で新しい機能を開発するということです。現在、Microsoftではこうした開発作業が精力的に進められています。もうひとつは、機器間の連携を必要とするシナリオを特定し、必要なライセンスを供与したり、標準の策定に参加したりすることです。
たとえば、携帯電話で音楽を聞くという大きなシナリオがあります(まずは半導体ストレージ、次にハードディスクを記憶装置として利用する)。このシナリオに弾みをつけるために、われわれはWindows Mediaのライセンスを、かなり低価格で提供することに決めました。Windows Mediaのライセンスは、すでにNokiaなどの企業に提供されています。携帯電話を利用したメールの送受信も、改善の余地のあるシナリオのひとつです。
--MicrosoftはRIMとインスタントメッセージ関連の契約を結びました。RIMはExchangeをモバイル機器で利用するためのソフトウェアを提供しており、Windows Mobileとは明らかに競合関係にあります。Microsoftは競合OS「Palm」を採用しているPalmOneとも提携し、同社がMicrosoftのActiveSync技術を利用できるようにしました。これらの戦略は、Microsoftのその他の戦略と矛盾するのではありませんか。
私も社員も活動の一貫性には十分配慮しています。メディアフォーマットのライセンスを出来るかぎり多くの企業に提供することにしたのは、核となる技術をあらゆる場所で利用できるようにすることが、シナリオの推進力になると考えたからです。Windows Mobileチームの役割は、これらの技術が最良の形で実装されているかどうかを確認することです。ライセンス料はどんなに安くても、業界における当社のシェアは必ず、大幅に拡大するはずです。
--あなたは以前、業界を活性化するためなら、ライバルとできる限り連携していくと述べました。Linuxベンダーとの関係にも、その余地はあるのでしょうか。3月末に(Microsoft CEOの)Steve Ballmerは(Red Hat CEOの)Matthew Szulikと会合を持ちました。その後、両社の関係に進展はあったのでしょうか。
標準に関する話--Webサービスの標準や、システムの連携を促すための相互運用性の確保といった話は、さまざまな企業と継続的に進めています。オープンソースコミュニティをひとくくりに論じることはできません。このコミュニティは他種多様なプレーヤーと製品がひしめくカオスであり、画一とは無縁の世界です。すべてがバラエティに富んでいます。このコミュニティにも営利追求型の事業を進めているベンダーはいます。われわれはこうした人々と交流し、共通点を見つけ、顧客のためにどのような協力ができるかを検討していくつもりです。しかし今のところ、重大な新展開はありません。
--先ほど、携帯電話市場のライバルとしてNokiaの名前があがりましたが、Linuxコミュニティから営利目的のプレイヤーが登場すれば、Microsoftのライバルになるのではありませんか。
その通りです。営利を目的とするベンダーとは競合することになりますが、対話も続けていくつもりです。
--モバイル機器のセキュリティについてお伺いします。2年前には、パスワードを設定できない機器も珍しくはありませんでした。現在の状況はいかがですか。
セキュリティは広範なテーマにまたがる問題です。この分野では、通信事業者の要望に合わせた認証システムの構築から、携帯電話を流れるコードの認証まで、さまざまな活動を行ってきました。たとえば、通信事業者が承認したコードだけを携帯電話に搭載するために、署名/管理機能を加えました。
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