技術を核にさらに勝ち組企業へ
米VERITAS Softwareの年次カンファレンス「VERITAS VISION 2005」が4月25日(米国時間)開幕した。これまではラスベガスで行われてきたが、8回目を迎えた今回は場所を初めてサンフランシスコに移して、4月27日までの3日間開催される。毎年、活動報告や事業戦略、新製品発表、ユーザーとの活発な意見交換などがあるが、今回の焦点はやはり米Symantecとの合併になる。世界50カ国から3400人、報道関係が100社以上集まった。
初日に基調講演したCEOのGary Bloom氏は「我々が目指すユーティリティコンピューティングの中にセキュリティを組み込むためには合併が必要で、2つの成功している企業が合併することはユーザーにとっても非常に利益をもたらすことだ」と説明した。合併は、2005年6月末には完了し、社名はSymantecとなるが、VERITAS製品のブランド名は変わらない。これまで提供してきた技術やサービス、サポートも継続される。合併後の企業は、売り上げの比率がエンタープライズ向け75%、コンシューマ向け25%となり、50億ドル以上のキャッシュを持ち、利益も50億ドルを上回る規模となるので、「財務的にも何の心配もない」(Bloom氏)と安心感をアピールした。
「合併はかならず成功してIT業界全体のリーダーになる」とCEOのGary Bloom氏
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合併に至るまでの背景を説明するために、Bloom氏はこれまでを振り返った。ハードウェア企業として出発したが、1997年4月にOpenVision Technologiesと合併し、それまでのバックアップと階層ストレージ管理のソリューションを、OpenVisionのオペレーティングシステムレベルのデータ管理やクラスタリング製品と組み合わせることによって拡充させた。当時の売上高は2500万ドルぐらいだった。その後、1999年5月にSeagate SoftwareのNetwork and Storage Management Groupを買収し、UNIXを中核としたソリューションから、Windows分野などへも多様化を図り、すべてのプラットフォームですべての主要なハードとソフトを相互運用するソフトに特化した企業に変化を遂げた。
その後も買収・合併を繰り返し、新技術を提供してきたことから、2004年の売上高は目標を上回る20億4200万ドルだった。「このように収益を上げれば、研究開発(R&D)にも注力してより革新的な技術を顧客に提供できる」(Bloom氏)というわけだ。こうして提供された技術を活かして、顧客はビジネスの問題を解決する。R&D費用は2000年に1億7400万ドルだったが、2005年は2倍の3億5000万ドルを想定している。
こうした結果、VERITASは、ストレージソフトウェアで市場占有率27.5%、ストレージ管理ソフトウェアで同35%、バックアップ&リカバリーで同46%のマーケットリーダーになった。各分野でリーダーとなったが、Bloom氏は「常に革新的な技術を提供してきたが、IT業界全体のリーダーになるためには、セキュリティのコンセプトをストレージ管理に組み込んでいくことが必要だ」と語った。
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