[ニュース解説] 合併合意のインクも乾かないうちに、SymantecとVeritas Softwareの経営陣は、合併後の新会社が開拓に取り組む新しい領域や、さらなる買収の可能性について、すでに検討を始めている。
米国時間16日に発表された総額135億ドルに上るこの買収で、世界で4番目に大きなソフトウェアメーカーが生まれることになるが、この新会社は幅広い製品を取り扱いながら、しかも重複する分野がほとんどない。これはビジネスの観点から見て好ましい点であり、取引先の絞り込みをねらう大企業顧客を相手にする際、同社には利用できる交渉材料が十分に与えられることになると、アナリストらは述べている。
ただし、両社がどのように各々の技術を組み合わせて新商品を開発していくかという点は、まだ明らかではない。SymantecはPC用セキュリティ/ウイルス対策ソフトウェアの最大手メーカーであり、一方Veritasは大企業が利用する大規模データストレージシステムの管理用ソフトウェアに特化した企業である。
Symantecの最高業務責任者(COO)John SchwarzがCNET News.comに語ったところでは、両社は各々の技術を組み合わせて良い製品ができそうな分野をすでに模索し始めているという。「Symantecのスパム対策技術はVeritasのアーカイブ技術とうまく組み合わせることができる」(Schwarz)
そのほか、Schwarzが「インフォメーションインテグリティ」と呼ぶ分野の製品も考えられる。これは、顧客のシステムがクラッシュした場合に、データを回復し、システムを以前の良好な状態に戻すのに役立つような技術だ。「Veritasにはデータのバックアップと回復用の技術がある。一方、Symantecにはそうした作業をいつ行うべきかを顧客に知らせる製品がある。このことから、すぐにも利用できるアイデアがいくつか上がっている」(Schwarz)
統合の可能性がある分野がもう1つある。SymantecのデータバックアップソフトウェアをVeritasのサーバベースのデータ保護ツールと連携させれば、デスクトップやノートPCのデータ回復手段を企業に提供できると、VeritasバイスプレジデントのMichael Sotnickはいう。サーバストレージ管理の技術は進歩したが、デスクトップやノートPCの管理は未だに多くの大手企業にとって頭痛の種になっている。
これらの例は、Symantecの強み--つまり、エンタープライズ向けの統合型管理ツールの販売に活かせるものだとFriedman, Billings, Ramsey & Co.のアナリスト Nitsan Hargilは言う。
Schwarzは、ほとんどの大企業がIT関連の取引先に関して、数の削減をねらっていることを事実だと認めた。「複雑すぎて、複数のベンダを抱えておける余裕がない。私が話をする最高情報責任者(CIO)は、ほとんどが取引ベンダ数を10分の1かそれ以下に減らそうとしている」(Schwarz)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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