最大108Mbpsの無線LAN技術普及へ、米ベンチャーが日本法人を設立

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  無線ネットワークのベンチャー企業、米Airgo Networksは2月16日、日本法人「エアゴーネットワークス」を設立すると発表した。ネットワーク機器メーカーやPCメーカー、家電メーカーに対する開発サポートなどを行っていく。

 Airgo Networksは送受信に複数のアンテナを使ってIEEE 802.11a/b/gの通信速度を向上させるTrue MIMO(Multiple Input Multiple Output)技術を開発した企業。送信にアンテナを2本使い、データを2系統に並列化して別々のアンテナから送信する。2系統の信号を同時に送るため、802.11gの最高速度である54Mbpsの2倍の108Mbpsの通信が理論上可能だという。100Mbps超の通信速度を目指す無線LANの次世代規格802.11nでは、このTrue MIMO技術の採用が有力視されている。

 本社を米国カリフォルニア州パロアルトに置くこのベンチャー企業は、これまでにNokia Venture Partnersなど複数のベンチャーキャピタルから合計で9700万ドルの出資を受けている。従業員は約140名、26の特許を出願中だ。

エアゴーネットワークス取締役社長に就任したボブ・ディマルティーノ氏

 日本法人の社長に就任したAirgo Networksワールドワイドセールス担当副社長のボブ・ディマルティーノ氏は、「True MIMO技術は日本市場に適した技術だ」と話す。日本では高速ADSLやFTTHが普及しており、無線LANについても高速化が求められている。その一方で、無線LANに割り当てられている周波数幅は20MHzだけで、使用帯域を増やして高速化を図ることができない。True MIMO技術は20MHz幅のチャネルで高速化ができるため、日本市場のニーズに応えられるというのだ。

 同社の実験によれば、Airgo対応製品を利用した場合の受信速度は、アクセスポイントから30フィート(約9m14cm)の距離で約40Mbpsといい、278フィート(約84m73cm)の距離でも約13Mbpsとなったという。

Airgo対応PCカードの構造。右端にアンテナが3本搭載されていることがわかる

 True MIMO技術は受信側でも複数のアンテナを利用しているため受信感度が高く、通信エリアが拡大する。ディマルティーノ氏によれば、Airgo対応製品を利用した場合、既存の802.11a/b/g製品を利用したときに比べて通信エリアが約3倍になるという。また、送受信の片側だけAirgo対応製品を使用した場合でも、通信エリアが20〜30%拡大するとのことだ。「802.11bを利用している企業の場合、Airgo対応製品を使えばアクセスポイントの数が4分の1で済む。アクセスポイントの設置コストを大きく下げることができるだろう」(ディマルティーノ氏)

 日本法人はAirgo True MIMOチップセットやソフトウェア、リファレンス・デザインをネットワーク機器・PC・家電メーカーに提供していく。日本ではプラネックスコミュニケーションズがすでにAirgo対応の無線LANアクセスポイントや無線LANカードなどが販売されている。バッファローは2月下旬、ネットギアは3月上旬にAirgo対応製品を出荷する予定だ。

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