プラネックスコミュニケーションズ(久保田克昭社長)は6月22日、MIMO(Multi Input Multi Output)技術を利用し、日本初の108Mbpsスループットを実現した無線LANアクセスポイント(AP)「CQW-AP108AG」と無線LANカード「CQW-NS108AG」を、法人向けに8月下旬から販売開始すると発表した。価格はともにオープンで、参考価格は、「CQW-AP108AG」が12万8000円、「CQW-NS108AG」が1万9800円。
新製品は、同社の法人需要向け新ブランド「Carrier Quality Series(CQS)」の第1弾となるもので、米Airgo社のMIMO技術を日本で初めて採用。MIMOは、送信・受信側の両方に複数のアンテナを用意し、データを分割して送信する技術で、従来の規格「IEEE 802.11a」や「IEEE 802.11g」が最大54Mbpsのスループットだったところを、20MHzのチャンネル1本で108Mbpsを実現した。
これによって、「IEEE 802.11b(11/5.5/2/1Mbps)」、「IEEE 802.11a/g(54/48/36/24/18/12/96Mbps)」に加え、「Airgo True MIMO modes(108/96/72Mbps)」の全4種の通信規格が利用可能となり、これまでのワイヤレス環境を生かしながら利用することもできる。
また、1台のAPを「ポータルAP」として管理サーバーからイーサネット経由で設定ポリシーを設定しておけば、それ以降追加した各APは、「ポータルAP」が無線LANで自動認識し、自動で設定を行う。
久保田社長は、「活用範囲として、HDTV(高品位テレビ)のストリーミングやVoIP、ホットスポットなどを想定している。こうした通信事業者に拡販展開をすることで、日本の高度なワイヤレス需要をリードしていきたい」と意気込みを語った。
セキュリティ機能については、
――と、4階層のセキュリティ機能をサポートする。
さらに、こうしたワイヤレス性能のほか、「大規模ネットワークに対応する管理ソフトウェアを備えている点も、MIMO技術を採用した理由」(久保田社長)という。
管理ソフトウェアは、ローカルネットワークレベルではAP本体内蔵の「NMポータルサービス」を、大規模ネットワークの場合には、システム管理ソフト「CQS-NMS108」(価格未定)を利用する。「NMポータルサービス」は、親機を1台決め、最大10台のAPを管理可能。一方の「CQS-NMS108」は、別途、管理サーバーにインストールすることで全国のAPを集中管理できる。管理機能としては、
――をブラウザや本体のシリアルコンソールから実行できる。
このほか、端末を最大16グループにグループ化するVLANをサポートするとともに、VLANごとにSSID(Service Set ID)を設定できるマルチSSIDに対応。SSIDごとに別の認証サーバーを利用したり、社外のゲストパソコンなどを専用のVLAN網を使ってインターネットに接続できる。
久保田社長は、「今は多くの通信業者がシスコの製品を使っているが、いったん内部に入られると簡単にパスワードを盗まれる、あるいは、管理ソフトが高価といった不満を聞いている。新製品は、速度、価格、セキュリティ、管理しやすさでシスコ製品を上回る」とし、シスコ製品からの置き換え需要も含め、新製品の販売に自信を示した。
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