ネットワーク関連機器メーカーのLinksysは、自社のWi-Fi製品に新しい技術をとり入れた。この技術を採用した製品では、電波の到達範囲が3倍に拡大し、また転送速度も最大で8倍まで高速化するという。
ネットワーク大手Cisco Systemsの一部門であるLinksysは米国時間4日、SRX(Speed and Range eXpansion)という機能を備えた新しい802.11g製品を発表した。
この機能は、新興の半導体メーカーAirgo Networksが開発したmultiple-in、multiple-out(MIMO)技術をベースにしたもの。802.11g規格に基づく無線ネットワークのカバーできる範囲はおよそ150フィートで、転送速度は最大で54Mbpsとなっているが、実際の速度はその半分程度でしかない。MIMO製品は、802.11g規格と802.11b規格の両方と互換性がある。
電波の到達範囲が狭く、思ったほど速度がでないというのは、無線ネットワークの利用者の間でよく聞かれる不満である。
Linksysは、199ドルのWireless-G Broadband Router with SRXおよび129ドルのWireless-G Notebook Adapter with SRX PC Cardという2つの製品をすでに発売している。また、これらの製品は今週ラスベガスで開催される「Consumer Electronics Show」でもデモが行われることになっている。
無線ネットワーク業界は、802.11nという次世代Wi-Fi規格の策定に取り組んでおり、標準化団体であるInstitute of Electrical and Electronics Engineers (IEEE)はこれに関する提案を受け入れている。
802.11nは今後2〜3年で完成すると見られているが、これに基づいた製品では最高100Mbpsの転送速度が可能になる。MIMOはこの土台となる技術と見なされている。しかし、802.11nにどんな機能を盛り込むかはまだ決定には至っていない。
MIMO技術の主要な開発元であるAirgoでは、すでに100万個以上のMIMOチップを出荷している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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