デスクトップ検索でも一番乗りはGoogle
デスクトップ検索も、今年になって各社の動きが活発になったサービスのひとつだ。この機能は、Microsoftが2006年リリース予定の次期Windows OS、Longhornにて実現する予定とされており、各検索サービスプロバイダもこの技術への取り組みを進めていた。
同分野はいまだ発展途上にあり、各社よりサービスが発表されたとはいえ、ベータ版が米国でリリースされたのみとなっている。しかし、この分野でも他社より一足早くサービスの提供を始めたのはGoogleだ。同社は今年10月、Google Desktop Searchというデスクトップ検索ツールのベータ版をリリースした。同ツールをダウンロードすれば、ブラウザ上からPCのハードディスク内にあるコンテンツを検索し、ブラウザ画面に検索結果を表示することができるという。
一方Yahooは、2005年1月にX1 Technologiesとの提携の下、デスクトップ検索用のフリーソフトウェアを配布予定だと12月9日に発表した。Yahooがこの発表を行った直後の13日、ライバルのMicrosoftはMSNの新サービスとしてデスクトップ検索アプリケーションMSN Toolbar Suiteのベータ版を公開している。同じく15日には、Ask JeevesもAsk Jeeves Desktop Searchベータ版をリリースしたほか、正式に発表はされていないがCNET News.comによると、America Online(AOL)もCopernicとの提携の下、デスクトップ検索アプリケーションのテストを開始したという。
ただ、新たな技術が生まれると、それを悪用する技術も出現するものだ。デスクトップ検索は、データをインデックス化し、分類しているため、個人情報を集めるには非常に効率の良いツールとなる。そこでセキュリティ専門家は、このようなツールがウイルスなどの攻撃対象となるのは時間の問題だと警告し、GartnerもGoogleのDesktop Searchについて、セキュリティとプライバシー上の問題がクリアでないため、企業内での利用は控えた方がよいとの調査レポートを発表している。
今後は何が起こるのか
このように、今年1年だけを見ても各社より様々な検索機能の強化が発表されているが、この動きは今後も続きそうだ。12月には、Yahooがビデオ検索エンジンのベータ版を公開した。Yahooが開発中のサービスを公開するためのページ、Yahoo! Next上で同サービスは利用可能で、Windows MediaやQuickTimeなどの動画ファイルが検索できるようになっている。
また、AOLは昨年、オーディオ・ビデオ検索企業のSingingfishを買収し、今年12月1日にはwww.singingfish.com上にてウェブ上のマルチメディアコンテンツが検索できるサービスを開始した。
正式なコメントは得られていないものの、CNET News.comの取材ではGoogleも同様の技術に取り組んでおり、テレビ放送を録画して関連番組のキャプションをインデックス化する作業が進められているという。さらにMicrosoftでも、Media Center PCやネット対応テレビを使ってビデオファイルを探し出す技術の開発を進めているという。
ビデオ検索だけではない。12月に発表されたGoogleの計画の中には、同社が米国内の図書館との協力の下、一部の書籍をデジタル化し、Googleで検索できるようにするというものもある。
これまでの動きを振り返ると、検索技術に関してはその多くが米国中心で開発が進められている。ただしGoogleは今年になって東京研究開発センターを開設し、日本発のサービスが提供できるように取り組みたいとしている。インターネットが進化する限り検索技術の進化も止まることはなく、今後も新たな検索サービスの登場が期待できそうだ。
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