企業はより安全な企業向けバージョンが出るまでGoogleのデスクトップ検索ツール「Google Desktop Search」を使うべきでないと、リサーチ会社Gartnerが警告を発している。
Gartnerは先頃発表した調査レポートの中で、企業のITマネージャーはGoogleのデスクトップ検索ツールを使用しないよう従業員に呼びかけるとともに、代わりにもっと安全な検索エンジンを選択するよう促すべきだと述べている。
「(同ツールを)個人的に使う分には全く問題無い」とGartnerのリサーチダイレクターMaurene Greyはいう。「心配なのはこのツールが企業内で使われた場合だ。このツールにはセキュリティとプライバシー上の問題がいくつかある。Googleは同ツールについて、個人データは収集しないというが、実際にどんな情報が収集されているか、企業内でどのように監視するのか?」(Grey)
Googleのデスクトップ検索ツールは開発途上の製品で、セキュリティやシステムサポートの体制が強力でない企業に対する配慮が不足していると、Gartnerは主張する。特に、Googleが「個人情報は収集しない」としている点について、これはGoogleが一方的に述べていることであって、Googleエンジンの判断を信頼するようユーザーに強要するものだとGartnerはいう。
同ツールは悪質だなどというつもりはないが、データの機密性に関する問題は確かに存在すると、Greyは述べる。
「われわれは単に、これは企業組織にとって良くないと言っているだけ。会社がこのデスクトップツールを所有するならば問題はない。しかし、現状のままでは(データは)社外に出ていくし、どのデータが社外に出たのかを知る手段はない」(Grey)
Gartnerのコメントを受け、Googleのエンタープライズ製品担当ジェネラルマネージャーDave Girouardは、現バージョンは企業向けアプリケーションとして開発されたわけではないと述べ、大規模な組織で利用するためのより安全なバージョンを開発中だと付け加えた。
「今のGoogle Desktop Searchはあくまでベータ版として出されているものだ。企業向けに配布しているわけではない」とGirouardは言う。「われわれは現在、いろいろなバージョンを開発中している。同ツールの企業向けバージョンも開発中だ。企業には当面、ベータ版を試験環境で運用し、Googleに評価をフィードバックするよう働きかける」(Girouard)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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