2004年12月1日から3日まで、東京ビッグサイトで「C&Cユーザーフォーラム&iExpo2004」が開催されている。「ITとネットワークの融合が実現するユビキタス社会」とのテーマどおり、ワークショップ、ブースともにコンセプト感たっぷりの出展が多い。
C&Cフォーラムスペシャルセッション会場にて行われたNEC代表取締役社長の金杉明信氏による基調講演を皮切りに各イベントが開幕した。ビジョントラックにおいてはITとネットワーク融合を実現するユビキタス社会をテーマとして、ゲスト対話式のディスカッションが行われている。また、マネジメントトラックでは各界著名人による講演、ワークショップでは具体事例や研究、論文がカテゴリーごとに発表された。講演によっては会場から人が溢れることもあり、別会場での同時放映を視聴するなど、今回のC&Cフォーラムの注目度の高さがうかがえた。
iExpo2004はブースがテーマごとに分けられ、ソリューションや製品が発表されている。NECのブースではカテゴリーごとのソリューションが紹介された。業務別ソリューションでは、RFIDや音声認識による効率化運用に注目が集まっていた。NECも導入して効果をあげているものもあることから、今後活性化しそうなソリューションだ。
モバイル関連ソリューションも充実している。NECが今期発表した、無線LANとFOMAをフレキシブルに利用できる「N900iL」と組み合わせての活用を提案する、ネットワーク統合ソリューション「UNIVERGE」がオープンセミナーを活発に行っていたのも印象的だ。注目されるモバイルセントレックスの動向に、来場者の目も集まっていた。
10周年を迎える「Express5800」シリーズを中心としたプラットフォームソリューションでは、小型大容量化したテープライブラリ、NASによる集中管理などが人気となっていた。新発売となる「NX7700i」シリーズのラインアップや、同社の水冷テクノロジーを搭載したサーバなども発表。注目のスパコン「SX8」もそろい、ハードウェアも充実している。セキュリティソリューションでは、ソフトウェア面の安全管理だけでなく、顔や指紋などの情報を基にした生体認証による入退室管理も注目されていた。
こうしたソリューションのほかにユニークなイベントも行われた。NECシステムテクノロジーが発表したのは、開発が完了し発売まで進んだ「RoboStudio」だ。デモンストレーションではロボットが音楽に合わせてオリジナルダンスを披露し、拍手喝さいを受けていた。また、耐衝撃性、耐水性、耐温性を強化したノートPC「FC-N11F」も落下や水流実験を行い堅牢さをアピール。製品は企業向け販売となっているが、個人購入可否の質問が飛び交っていた。
また、協賛企業スペースもこのイベントで新しい発表が行われる機会が多いスペースだ。特に今回はモバイルテクノロジーを使ったソリューションに活気があり、各社が積極的な展示を行っていた。NTTドコモのiモード FeliCaを使った料金システム、KDDIではGPSによる位置情報、DDIポケットは1Mbpsデータ通信などに注目が集まっていた。特にDDIポケットはジャケットフォン(R-SIM)のコンセプトモデルを展示。小型化された筐体と機能に多くのユーザーが期待の声をかけていたのが印象的だった。
現在開催されているC&Cユーザーフォーラム&iExpo2004は、昨年行われた同イベントよりもユーザーへのニーズを見据え、狙いを絞った発表内容が多いと感じた。今回のイベントは12月3日まで開催されているので、興味のあるユーザーは足を運んでみるとよいだろう。
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