Sun Microsystemsは、企業のバックエンド向けJavaソフトウェアをモジュール化し、コスト効率を高めるよう設計し直す「Project Kitty Hawk」計画を発表した。
Sunは28日(米国時間)にJavaOneカンファレンスで、同社のJava Enterprise SystemサーバソフトウェアスイートとJava Studioプログラミングツールを改訂し、サービス指向アーキテクチャ(SOA)の構築プロセスを簡素化するとの発表を行った。SOAとは、コンピュータシステムの運用コスト削減を目的とした、モジュール化されたシステム設計を指す。開発者はSOAを用いることで、たとえば製品の価格チェックといった1つの「サービス」を、さまざまなアプリケーションで再利用するようなアプリケーションを設計できる。
Sunはソフトウェアの改訂を今後2年間にわたって進めていく。また、これに合わせて、「SOA Readiness Assessment」プログラムなどのコンサルティングサービスも行う予定。
Project Kitty Hawkの製品拡張によって、ソフトウェア開発者はJavaを使ってWebサービスアプリケーションを開発しやすくなる、とSunは述べている。Sunの計画に詳しい人々の話では、たとえば「Project Disco」(コード名)という開発中の製品では、Business Process Execution Language(BPEL)というWebサービス言語を使ってアプリケーションを整理するビジュアルツールが、プログラマ向けに提供されるという。
Project Kitty Hawkは、開発者が「Java Webサービスを用いて、サービス指向アーキテクチャに基づくアプリケーションを発見・整理・配信できるようにする」ものだ、とSunのJava Webサービス/開発ツールマーケティング担当バイスプレジデント、Joe Kellerは述べている。
Sunは、たとえばJava Studio Enterpriseの2番目のバージョンで、統一モデリング言語(UML)ベースのモデリングを導入すると、Kellerは述べた。同ソフトウェアは今夏ベータテストに入り、年内に完成版がリリースされることになっている。
またSunは、Java Enterprise System(JES)をアップデートして、SOA拡張を図る。JESは、Javaで記述されたビジネスアプリケーションの動作に必要なJavaサーバソフトウェアだ。このアップデートにより、顧客はネットワークアクセス時のユーザー認証などのSunが提供するサービスを、さまざまな目的で利用できるようになる、とSunは話している。
Project Kitty Hawkで改訂されるソフトウェアは、来年リリースになると見られている。「(来年出る)JESリリース4までに統合の最初の段階を実現する。また、その次のリリースでは、開発者向け製品全てのミドルウェアを結合する、完全に統合されたパッケージ(になる)」とSunのソフトウェア担当エグゼクティブバイスプレジデント、John Loiaconoは述べた。
なお、BEA SystemsやIBM、OracleなどのJavaサーバソフトウェア企業、そしてMicrosoftといった競合企業でも、SOAを実現するための製品を販売している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス