中国・上海発--Sun Microsystemsによるオープンソースへの歩み寄りが続いている。
Sunの社長兼最高業務執行責任者(COO)Jonathan Schwartzは、Sunが自社のプロプライエタリなサーバ用オペレーティングシステム(OS)「Solaris」を、オープンソースにする計画があると語ったが、しかしその時期については明らかにしなかった。
Schwartzは2日(現地時間)、当地で開かれている同社のSunNetworkカンファレンスに関連して行われた記者会見のなかで、「それが、いつになるのかは述べたくないが、われわれは必ずSolarisをオープンソースにする」と述べた。
同氏のこの宣言は、Linuxなどのオープンソースソフトウェアの人気が高まっていることを、Sunがしぶしぶ認めていることの新たな証といえる。Sunにとって、オープンソースソフトウェアの人気は、ライバルにあたるMicrosoftを出し抜くチャンスであるとともに、Sun自身に対する競争上の脅威にもなっている。
チャンスという面では、Sunは今週「Java Desktop System」のセカンドエディションをリリースした。Java Desktop Systemは同社版のデスクトップコンピュータ用Linuxで、セカンドエディションではMicrosoft Windowsの機能の一部が再現されている。
しかしながら、Schwartz自身がSolarisをオープンソースにはしないと示唆したのは、わずか4カ月前のことだった。「われわれは、自社のオペレーティングシステムを公開せず、何でもかんでもLinux上で動かせるようにはしないと言ってきているが、このために最近ではやや時代遅れになっている」とSchwartzは今年2月に述べていた。
Solarisは、SunのUltraSparcチップを搭載したサーバ以外ではあまり普及していない。しかし、Sunはこのところ、x86サーバ用ソフトウェアの開発者にとって、Solarisとそれに付随する開発ツールはますます魅力的になるだろうと予想してきている。
Schwartzは上海での記者会見で、広く普及しているSunのJavaプログラミング言語をその先例として挙げた
「Sunがコミュニティからのフィードバックの価値をどのように捉えているかは、われわれがJavaでやってきた事を見れば明らかだ。JavaはSunのサポートがなければ存在し得なかった。Javaが存在するのは、何百、何千ものパートナーのお陰でもある。われわれが今必要としているのは、JavaのモデルをSolarisに持ち込むことだ」(Schwartz)
Schwartzは、オープンソース化したSolarisのライセンスモデルがどんな形式のものになるかについては明らかにしなかった。だが、SunがSolarisにサブスクリプション形式の価格モデルを適用した結果、MicrosoftやLinuxディストリビュータのRed Hatの製品と比べて、Solarisの価格が「かなり安くなっている」点を同氏は指摘した。
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