Sun Microsystems最高経営責任者(CEO)のScott McNealyは、2000年に開かれた第5回めのJavaOneカンファレンスで講演を行った際に、Javaの大成功について語りながら、嬉しさのあまり感情を抑えきれなかった。
Sunが生み出したこの技術は、スマートフォン用のソフトウェアから大量のアクセスを処理するウェブサイトまで、あらゆるものの開発にJavaを使いたがる、何百万人ものプログラマーを惹きつけていた。「Javaのまとめ役は非常に儲かるビジネスで、ちょうど新興企業を立ち上げたような気分だ」と当時のMcNealyはまくし立てていた。
だが、米国時間28日に始まった今年のJavaOneカンファレンスでは、McNealyの浮きうきした姿は見られないかもしれない。
クロスプラットフォームのプログラミング言語であるJavaが、今でも多くの法人顧客やソフトウェア企業にとって重要な技術であることに変わりはない。だが業界の観測筋によると、Java業界自体のまとまりに、ほころびが見え始めているという。昨年、Javaベンダー各社の間では、Microsoftと効果的に競争するために必要な結束よりも、互いのあからさまな衝突が一段と多く見られた。さらに、オープンソースや、ウェブサービスの隆盛により、開発者の関心がJavaから離れていってしまった。
また、Sunの不安定な財務状態や変わりやすい製品戦略が、Java標準の主唱者として同社をよりどころとする業界全体を混乱させている。
Sunは現在、自社のJavaビジネス活性化を目指した取り組みを進めているが、こうしたソフトウェア業界の情勢の変化は、Javaの生みの親として同社が業界の方向性に与えてきた影響力が、いづれは弱まる可能性があることを意味している。
「Sunは実際のところ、Javaに関するコントロールを失いつつある。Sunが賢明ならば、彼らがJavaを独占支配し続けることはできず、代わってオープンソースが支配権を得ようとしている前兆に気づくはずだ」と、Burton Groupのアナリストで、Sunの元幹部でもあるAnne Thomas Manesは述べている。
Sunは今回のJavaOneカンファレンスで、Javaソフトウェア市場での失地回復に向けた自社のさまざまな計画を発表することになっている。同社は「Java Studio Creator」をリリースするが、この99ドルのJavaツールは、使い易いとされるMicrosoft製品から、開発者を奪い返すことを意図してつくられたものだ。同社はまた、AMDのOpteronチップを搭載したSunサーバとSolarisオペレーティングシステム、そしてJava開発ツールを組み合わせたバンドル製品も発表する。これは年間1499ドルの3年契約で提供される。
Sunは、Java業界が今も生気にあふれており、Javaコミュニティとの関係については定期的に評価を行っていると主張している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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