マイクロソフトは1月22日、ストレージシステム向けOS「Microsoft Windows Storage Server 2003」日本語版の国内販売パートナー拡充を発表した。また、専任の営業チームを設立し、販売体制を強化する。
Windows Storage Server 2003の国内販売パートナーには、すでにアイオメガ、イーエムシージャパン、デル、日本電気、日本ヒューレット・パッカード、日立製作所が発表されている。今回、これらの企業に加えて、AXIOMTEK、MaXXan、Xtore Extreme Storage、レイドシステクノロジの4社との協業が発表された。
Windows Storage Server 2003は、Windows Server 2003をベースにNASなどのストレージ製品に最適化されたOSだ。マイクロソフトでは、かつてはハイエンドエンタープライス向けの技術であったスナップショット技術である「ボリュームシャドウコピーサービス(VSS)」や、相互運用性を向上させる仮想ディスクサービス(VDS)など新機能を追加してきた。
Windows Server Divisionのジェネラルマネージャー、クリス・フィリップス氏 | |
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また、ハードウェアの統合が重要になるストレージ分野において、負荷分散とフェイルオーバーを提供するためのマルチパスIO(MPIO)やSMB、NFS、Chkdskといったファイルシステムとパフォーマンスの向上にも投資を行ってきた。SMBパフォーマンスでは最高148%の向上、NFSパフォーマンスでは50%以上の向上を実現した。
さらに、2003年6月からInitiatorをリリースしているiSCSI(IP SAN)にも注力している。Windows Server Divisionのジェネラルマネージャーであるクリス・フィリップス氏は、「iSCSIは生まれたばかりの技術だが、これから確実に伸びてくるものとして多くの投資を行っていく」とコメントしている。
クリス氏は、「ストレージ分野のトレンドは、複数のサーバの統合がキーになっている。このトレンドは、2001年ごろ米国から始まり、欧州や日本にも押し寄せてきている」と語る。これは企業が扱うデジタルデータの量が増大したためで、米調査会社のIDCの予測では、Windows Serverストレージの2002年から2006年までの年間平均成長率は70%に達するとしている。
クリス氏によれば、「ストレージ分野における価格と出荷数はムーアの法則を超えている」という。IDCの調査によれば、2003年6月には初めてNASへの投資がDASを超えた。この背景には、NASがDASの3分の1のTCOで済むからだと言われている。
これらストレージ分野を取り巻くトレンドを踏まえて、マイクロソフトでは3つの戦略を柱に据えている。1つ目は、Windowsを最高のストレージプラットフォームにするための開発。2つ目は、顧客のニーズに対応するためのパートナーシップの拡充。クリス氏は、「多くのパートナー企業と組むことで、顧客に選択肢を幅広く提供できる」とコメントする。
そして、3つ目は、新しいストレージソリューションの提供だ。今回発表された日本国内での販売パートナー企業のほかにも、トレンドマイクロやベリタスソフトウェアなどソフトウェア企業もWindows Storage Server 2003日本語版のサポートを表明している。マイクロソフトでは、専任の営業チームを設立し、企業の情報管理、情報維持に合わせ、パートナー企業とともにプランニングからシステム構築、運用、維持まで一貫性のあるWindows Storageソリューションを提供するとしている。
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