MSのウェブ版Officeが登場--オフィス製品の行く末は?

2008年10月30日 03時00分

 Microsoftがウェブブラウザで動作するOfficeアプリケーションを披露しました。Internet Explorer、Firefox、Safariなどの一般的なウェブブラウザで動作し、モバイル版、PC版などとシームレスに切り替えながら、ドキュメントを編集できるそうです。

 ライバルと目されるGoogle Appsは個人ユーザーだけでなく、法人顧客の注目も集め始めています。MSのウェブ版オフィスも、個人にはOffice Liveを通じて、法人ユーザーにはホスト型のプログラムなどを通じて提供される予定です。

 これまでOffice製品は有料のパッケージ版として提供されてきました。これがウェブで使えるようになると、MSのビジネスモデルはどのような影響を受けることになるでしょうか。また、ウェブベースのOfficeアプリの意義を長年にわたって疑問視してきたMSが方向転換したことで、オフィスソフトの主流はオンラインに移行していくのでしょうか。パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。


  • 江島健太郎
    江島健太郎さん (エンジニア、アントレプレナー)
    オフィスアプリの未来がオンラインにあるというのは議論の余地がないと思います。

    以前も書いたような気がしますが、オフィスアプリで作る文書は、最終的には自分以外の誰かに見せるために書くんです。WordやExcelが登場した頃にはネットがなかったのでフロッピーディスクで受け渡ししていましたが、これがメール添付になり(今ココ)、究極的にはWikiのようにウェブ上でそのまま共同編集できるようになっていくというのは、ごく自然な進化です。

    しかし、オフィスアプリというのは25年もの伝統の積み重ねの上に成り立っているものであり、したがってかなりの慣性=変化への耐性があることも事実でしょう。仮に現在を折り返し地点とし、25年後にどうか、という質問なら、「オフィス文書のやりとりは95%がオンラインになっている、ただしWordやExcelというブランドが同じ威光を保っているとは思えない」ぐらいは言えるのですが、今年来年どうかという質問なら、Google Apps頑張って、と応援するぐらいで、あまり劇的な変化は期待できないと思います。

    というのも、基本的にこの議論の要諦はMS Officeという過去のユーザ体験を保存することについてであり、技術よりもブランドが重視される市場であり、スタートアップの参入余地はないからです。

    それよりも、世代交代とともにSNSみたいなものが業務で使われるようになり、ExcelはともかくWordは絶滅する、ぐらいの斜め上から降ってくる異種格闘戦のほうが面白いし、実はもっともリアリティがあるんじゃないか?と思ったりもします。
    2008-10-30 04:05:59

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