ロサンゼルス発--ウェブベースの生産性アプリケーションの意義を長年にわたり疑問視してきたMicrosoftが米国時間10月28日、標準的なウェブブラウザ上で実行できる「Word」「Excel」「PowerPoint」の新バージョンを提供する予定であることを認めた。
CNET Newsが10月20日に最初に報じたように、Microsoftは同社がここロサンゼルスで開催しているProfessional Developer Conference(PDC)で、ブラウザベースの「Office」を披露した。
Microsoftのビジネス部門プレジデントを務めるStephen Elop氏はインタビューの中で、ブラウザ上での編集機能は、次期バージョンのOffice(開発コード名「Office 14」)と併せて開発中だと語った。同社は次期Officeの正式な出荷時期について明言していないが、Elop氏によると、ブラウザ上で動作する製品の技術プレビュー版が2008年中、ベータ版は2009年にそれぞれリリースされる予定だという。
Microsoftは、ブラウザベースのWord、Excel、PowerPointを2通りの方法で提供する計画だ。個人ユーザー向けには、これらは同社の「Office Live」のウェブサイトを通じて提供される。一方で企業は、Microsoftの「SharePoint Server」製品を通じて、ブラウザベースのOffice機能を従業員に提供できるようになる。
Microsoftは、かねてから無料の「Google Apps」を提供しているGoogleの圧力により、この分野へ参入することになった。Googleに対抗するため、Microsoftは、使い慣れた同社のユーザーインターフェースを利用できることや、文書の特徴がすべて保たれることを宣伝している。
「現時点で競合の製品を使って、たとえばWord文書を読み込ませた後に書き出すと、認識できない部分も出てくる」とElop氏は述べた。「再現性が大いに損なわれる」
Elop氏によると、デスクトップ版製品の編集機能のすべてがブラウザ版に搭載されるわけではないという。「われわれは(ブラウザ版の)編集機能について、軽量級の編集として特徴づけている」と同氏は述べた。
Google Appsは、人気の大半が個人ユーザーによるものだったが、法人顧客の注目も集め始めている。Procter & GambleはGoogle Appsに強い関心を寄せたが、Microsoftからの強力な売り込みを受けた後、結局はOfficeの使用継続を決めた。Elop氏によると、Microsoftはこの売り込みの中で、ウェブ版Officeアプリケーションの計画について詳細を提供したという。
「これが交渉の一部の要件になっていたことは確かだ」とElop氏は述べた。「状況に応じて程度の差はあるが、われわれはこうした情報を顧客と共有してきた」
Elop氏は、具体的な社名は挙げなかったが、Microsoftは他の顧客企業についてもGoogleと競合状態にあることを認識していると述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」