2009年に注目を集めたキーワードの1つが「AR」(拡張現実)だ。現実の映像にデジタル情報を重ね合わせることでユーザーの行動を支援する技術を指す。iPhoneのカメラからの映像に、その地点の情報が重ねて表示されるアプリ「セカイカメラ」がなかでも注目を集め、同様の技術はCEATEC JAPAN 2009のNTTドコモブースやKDDIブースでも見ることができた。
博報堂DYメディアパートナーズらは、ARを使った広告商品を開発。新聞などの広告に掲載されたマーカーをPCのウェブカメラで読み取らせると、商品などの映像がウェブカメラの映像に重ねて表示できる。ただ、PC用のウェブカメラを持っていないと見られないという難点がある。
mixiアプリが8月に開始され、日本にもソーシャルアプリブームが到来した。mixiで最もユーザー数の多い「サンシャイン牧場」は利用者が400万人を超えた。ただ、有料コンテンツを購入したユーザーの個人情報が閲覧可能な状態になっているなどの問題も起きた。
2010年1月にはモバゲータウンもソーシャルアプリを公開する計画。また、2010年にはFacebookが日本法人を設立する見込みだ。
インターネットはもはや、PCだけのものではない。ユーザーが持ち歩くことの多い携帯電話は、もう1つの大きな市場だ。2009年にはiPhone 3GSやAndroidといったスマートフォンに注目が集まった。
インプレスR&Dの調査によると、スマートフォンの端末別ユーザーシェアではiPhone 3G/iPhone 3GSが46.1%を占めるという。
7月には国内初のAndroid端末「HT-03A」がNTTドコモから登場。2010年にはシャープやNECといった国内メーカーからもAndroid端末が出される見込みだ。また、GoogleもAndroid端末を販売するという噂があり、2010年1月5日に何かしらの発表がある予定となっている。
最後に、「インターネット」ではないのだが、通信を使ったサービスで社会現象にもなった「すれちがい通信」に触れておきたい。
7月11日に発売されたニンテンドーDS向けロールプレイングゲーム「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」は、出荷台数がシリーズ最高となる415万本を突破した。通信機能を使って、見知らぬユーザーとすれ違いざまに「宝の地図」を交換できる「すれちがい通信」が人気となり、秋葉原のヨドバシカメラ前には「ルイーダの酒場」というすれちがい通信スポットまでできた。また、「まさゆき地図」と呼ばれる宝の地図が有名になり、ネット上ですれちがい通信をするユーザーを求める書き込みも多く見られた。
なお、今年はCNET Japanの記者5名が、1年を通じて印象的だった人や企業、商品や出来事についてもそれぞれ紹介している。ぜひこちらもあわせてご覧いただきたい。
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