社会人人生で、最も記憶に残る1年に--2009年を振り返る:永井編

永井美智子(編集部)2009年12月29日 08時00分

 2009年も残すところあとわずか。個人的にも、社会人人生で最も記憶に残る1年となった。この1年を、記事をもとに振り返ってみたい。

ひろゆき氏に始まり、ひろゆき氏に終わる1年

 2009年は、「2ちゃんねる譲渡」という衝撃的なニュースで幕を開けた。テレビで駅伝を見ながら記事を書いたことをよく覚えている。思えば、私がCNET Japanで初めて書いたインタビュー記事も西村博之(ひろゆき)氏のもので、当時はユーザーのIPアドレスを記録し始めたころだった。あれから7年、月日が経つのは早い。

 現在はニコニコ動画やmF247の運営に注力している西村氏からは、現在のニコニコ動画に対する不満を年の終わりに聞くことができた。2006年12月にサービスを開始してから3年、規模が拡大するとともに運営側も肥大化し、スピード感が失われたり、収益化に伴うジレンマを抱えたりしている様子は、ベンチャーが直面する「成長の痛み」に似ていると感じる。ただ、西村氏の主張の本質は過去のインタビューから変わっておらず、多様性を大切にしながら、より多くの人が楽しめる場を育てていく考えであるようだ。

ソーシャルネットワークが改めてアツい

 2009年に最も印象に残った記事を1本だけ挙げるとしたら、迷わず以下の記事を挙げたい。

 ギャル専門のマーケティングを手がける有限会社SGR代表取締役社長、西本裕美氏に伺ったお話だ。今どきのギャルはお小遣い稼ぎも友達作りもファッション情報収集も、ぜんぶケータイですませてしまう、というのは予想を大きく超えるものだったが、その背景に「お金がない」という理由があると聞いて、納得してしまった。自分の高校生時代はポケベル全盛期だったので月額数千円で済んでいたが、毎月のケータイ代をお小遣いから出さないといけないとなると、かなりきついよなぁと思う。

 mixiが高校生の間ではやっているという話は、実際に女子高生からも聞いた。年齢制限を緩和したことで、高校生にも使いやすくなっているようだ。

 そのmixiは日本でSNSオープン化の先鞭をきり、mixiアプリを公開したことでPCサイトのページビューがようやく増加に転じた。ディー・エヌ・エー(DeNA)も「モバゲータウン」でソーシャルゲームを投入したところ、3アプリで1カ月3億円の売上があったほか、月間ページビューが2カ月で1.9倍に急増している。

 DeNAはモバゲータウンで人気のソーシャルゲーム「怪盗ロワイヤル」をmixiにも提供したほか、一時中断していたテレビCMも再開した。実は怪盗ロワイヤルは、個人的にも今一番ハマっているゲーム。その操作感やイラストの美しさも含めた世界観、適度なソーシャル感、そしてアイテム課金による収益力など、モバイルコミュニティを長く運営してきたDeNAならではの要素が詰まっていると感じる。クリック1つでどんどんゲームが展開してしまうので、表示された広告をあまり見る余裕がないのが気になるところだが。

 モバゲータウンがソーシャルゲームを導入してエンターテインメントを強化する方針であるのに対し、mixiはソーシャルプラットフォームへとかじをきった。売り上げを伸ばしているGREEや日本支社の設立が予定されているFacebook、一般にも急激に認知が広まったTwitterやそれを追うAmebaなうなど、2010年もソーシャルネットワークサービスからは目が離せそうにない。

スマートフォンを疑い、期待するフクザツな気持ち

 アプリ開発でもう1つ注目を集めているプラットフォームはiPhone、Androidといったスマートフォン市場だろう。iPhoneアプリは10万件を超え、効果的なプロモーション手段が見いだされないまま、価格競争に陥ってしまっている。収益化に疑問を投げかける声も増えてきた。とはいえ、今後大きくなるプラットフォームであることに間違いはない。

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