IHS iSuppliのあるアナリストは、「Android」とGoogleの同OSを使用するタブレットメーカー群が近い将来にAppleの「iPad」および「iOS」に追いつくことはないと考えている。
IHSの競合分析担当シニアアナリストであるWayne Lam氏は米国時間8月1日、GoogleのAndroid OSを使用するタブレットサプライヤーに対するiPadの設計面での優位性に関する研究メモの公開に続けて、米CNETのインタビューに応じた。
メモの中でLam氏は、何よりもAppleがiPadのOSとハードウェア設計の両方を管理しているため、AndroidのタブレットメーカーはまだAppleのiPadに匹敵する効率的な設計を実現することができないと述べている。
--どのようにして、Appleは少しのもので多くのことを実現しているのでしょうか。例えば、iPadのシステムメモリは大半の競合Androidタブレットの半分です。
Lam氏:それがポストPC時代の使用事例です。求められているのは性能ではなく、ユーザーインタラクションです。デバイスを使うことで、ユーザーが性能の違いを見分けたり、ハードウェアの速度を体感したりできるとは思いません。昔とは基準が変わりました。
--AppleとAndroidが競争していく上で、両者の最大の違いは何ですか。
Lam氏:競合する(Android)エコシステムの最大の弱点は、クリティカルマスに達していないということです。そのため、人々はAndroidプラットフォーム上で開発を行いません。Appleには1年半のアドバンテージがあります。また、iOSはiPadとiPhoneの間でほぼ完璧に動作します。一方Androidの場合、Googleは携帯電話機が「Gingerbread」に移行する前にコードを分割しなければなりませんでした。そしてその後で「Honeycomb」を開発しました。基本的に、(Googleと同社のパートナーは)コードが統合されるAndroid OSバージョンの「Ice Cream Sandwich」が登場するまで待たなければならないでしょう。
--Androidが追いつくまでにどれだけの時間が必要でしょうか。
Lam氏:すべての大手(Androidタブレット)メーカーはこの1年間、コンポーネントの正しい組み合わせを見つけることに全精力を傾け、ソフトウェアのことはほとんど気に留めませんでした。Googleが何かをしているので、何であれそれを受け入れることにしよう、とメーカーは考えました。そして、大体においてその通りになりました。ただし、Androidはまだまとまりに欠けています。
--しかし、こうした状況は流動的なものですよね。
Lam氏:もちろん、Androidは「Flash」を実行できるようになり、デスクトップ(PC)と同じようにウェブを閲覧することも可能です。そして、2011年はAndroidのタブレットメーカーが反応を示した最初の年です。したがって、2012年には(Android陣営が)もう少し競争力を持つ可能性があります。彼らはもっと人々を驚かせるようなスペックをタブレットに詰め込んだり、LTEのようなテクノロジを採用したりすることで、最終的に競争力を高められるかもしれません。タブレットについて考えるときは、長期的な視野に立つ必要があります。「Windows 8」は何をもたらすのでしょうか。Ice Cream Sandwichが登場したら、どうなるのでしょうか。しかし、今このときを話題にしているとしましょう。2010年のクリスマスシーズン、そして2011年のクリスマスシーズンは、ほぼiPad一色です。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス