Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は米国時間7月20日、良好だが素晴らしくはない決算を発表した後、「Windows 8」が市場の勢力地図を変えることの意味について質問を受けた。Windows 8はARMチップをサポートする初めてのMicrosoft製メインストリームOSだ。
20日の決算発表電話会議の中で、あるアナリストが、Intelは予期されるARMプロセッサ搭載のWindows 8デバイスとの衝突にどのように対処するつもりなのかと質問した。ARMチップは世界の大半のスマートフォンおよびタブレットに搭載されている。
IntelはPC(別名「クライアント」デバイス)の分野で一貫して圧倒的に優位な立場を維持してきたが、Appleが「iPad」で非常に大きな成功を収めたことによって、PCの定義が急速に変わろうとしている。Appleは直近四半期に925万台ものiPadを出荷した。iPadはARM設計に基づくプロセッサを採用しており、PCと同様にクライアントデバイスと見なされている。このiPadの出荷台数だけでも、Appleは世界市場におけるPCメーカー別四半期出荷台数ランキングでトップクラスに入る。
そして、Microsoftが2012年に、QualcommやTexas Instruments、NVIDIAなどが製造するARMプロセッサで稼働するWindows 8を発表すると、新しいクライアントデバイスへ移行するトレンドは加速の一途をたどるだろう。もちろんそれはタブレットだけでなく、Windows 8搭載ノートPCへの移行も含まれる。
Otellini氏は「市場の勢力地図」にもたらされる変化について質問を受け、IntelがWindows 8上でのパフォーマンスおよび下位互換性という点で優位に立っていることを強調した。同氏は「(Windows 8)タブレットが一般の人々にどのように受け止められるかは、まだ結論が出ていないと思う。われわれはWindows 8タブレットに関して、強大な競争力を持ちたいと考えている。われわれの仕事は、ARMを搭載したWindows 8タブレットを扱う競合他社にパフォーマンスとバッテリ寿命、互換性の面で打ち勝つことだ」と述べた。
「われわれは数年前よりMicrosoftと協力してWindows 8の機能セットに取り組んでおり、PC分野で弊社シリコンを同機能セット向けに最適化する作業を行っている」(Otellini氏)
Intelの幹部陣はもっと一般的な話題に言及し、クラウドを利用するデバイスが遍在する将来の世界で競争していく同社戦略について語った。フロントエンドでは「ウルトラブック」がタブレットとノートPC両方の性質を帯びるようになり、バックエンドについては、Intelはサーバおよびデータセンター分野で既に築いている強固な地位をさらに盤石なものにする考えだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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