ADSL純増数の伸びが鈍化、FTTH本格普及へ--MM総研調査

 MM総研は、2004年9月末次点でのブロードバンド回線事業者の加入者数に関する調査結果をまとめた。ADSL加入者数の純増数が鈍化している傾向と、FTTH契約者数の伸びが明らかになった。

 ADSL加入者は、2001年下期に65万件だった契約数が2002年上期には238万件と、急激な伸びを見せていた。しかしその後、2003年上期の702万件から下期は923万件にとどまり、増加の勢いにかげりが見えていた。今回の2004年下期調査でも1274万件となっている。

 ADSL市場でソフトバンクBBは35.2%と大きなシェアを持っているが、2004年2月に発覚した顧客情報流出事件や他社の無料キャンペーンなどの影響により、昨年同期と比較すると純増数が半分近くに低下している。

 FTTHは2002年上期の契約数が3万件だったのに対して、下期が11万件。規模は依然小さいとはいえ順調な伸びを記録しつづけ、今回の調査では114万件と大幅な伸びを見せた。

 FTTH市場では現在NTT東西があわせて71.9%のシェアを持っているが、東京電力とソフトバンクBBが参入したこともあり、今後競争の激化が予想される。特にマンションタイプのサービスでは競争の激化が著しい。

 今後のブロードバンドサービス全体の動向としては、FTTHへの以降が本格化するとMM総研は予測している。ADSLとCATV、FTTHという3つのサービスを合計したブロードバンドサービス契約者数は今年度末には2000万件に近づき、来年度末には2520万件に増加すると見込んでいる。ナローバンドは徐々に縮小し、2007年度末にはブロードバンドサービスは3100万件に拡大し、世帯普及率も6割を超えると推計している。

MM総研

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