Open Enterprise Serverは、3月22日のリリースに発表され、またBrainShare2004の基調講演でもロードマップが示された。
従来のロードマップでは、Linuxを統合する管理ツール「Nterprise Linux Services」のバージョンアップによりLinuxに対応していく計画だった。しかし、今回のロードマップでは、Nterprise Linux ServicesはOpen Enterprise Serverの一部のツールの一部となるだけでなく、NetWareもOpen Enterprise Serverのツールの一部となると発表された。
NovellのPlatform Services Group Product ManagerであるRick Fowlerは、「最終的に、Open Enterprise ServerにはNetWareの次期バージョンが含まれますので、NetWareのバージョンナンバーは表には出ません。NetWareは、eDirectory、iFolder、ZENworksと同じようにソリューションコンポーネンツのひとつになります」と説明する。
Open Enterprise Serverの発表が当初の予定より一年も早まったのは、今年の1月にSuSE Linuxを買収したことが大きく影響している。SUSE LINUXの登場によりオープン化一色となったかに見えるNovell。だが、SUSE LINUXの販売戦略としては、新規顧客の獲得よりも、既存のユーザーにLinuxを導入させることが重要だと考えているのだ。そのため今回の発表は、Novellの既存の顧客であるNetWareユーザーに配慮した結果ともいえる。
NovellのPlatform Services Group Product ManagerのHugo Parraは、「顧客からは、“早く複数のOSを統合できるサーバがほしい”“既存のIT投資を守ってほしい”というリクエストが多く寄せられました。そのため、Open Enterprise Serverの発表を1年前倒しにしたのです」と語っている。
Open Enterprise Serverの発売は年末の予定だが、Novellとしては既存のNovellユーザーを積極的に支援していくことを示す必要があったといえる。
Rick Fowlerは、「Open Enterprise Serverの発表により、顧客からは“これでIT投資を抑えられ、コストを削減できる”という声をいただいています。また、実際にデモやラボに参加していただいた顧客には、“NetWareとLinuxの統合や管理が簡単に行える”という評価をもらっています。そして顧客が口を揃えて“いつ発売するのか?”と質問を投げかけてくれます」と、顧客の反応を紹介した。
では、Open Enterprise Serverを導入すると、どのようなメリットが得られるのだろうか。Hugo Parraは次にように答える。
「全ユーザーは、時と場所を選ばず、あらゆるシステムを区切りなく通信できるようになります。また、それらを管理するソリューションやサポートも一緒に提供されますので、追加投資を行うことなく、現行のシステムを有効活用できることも特徴です。これにより、従来のシステムよりも容易に高度なセキュリティが得られるよう開発されています」
Novellは、Open Enterprise Serverの発表により、NetWareユーザーまでを取り込んだ形でオープンプラットフォーム環境に適応していく。言い換えれば、Novellのオープンプラットフォーム戦略は、NetWareユーザーがどこまでOpen Enterprise Serverを受け入れ、Linux化を促進するかがにかかっている。
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