アドビ、オムニチュア買収の真意は?

2009年9月16日 12時20分

 Adobe Systemsがウェブ解析企業のOmnitureを18億ドルで買収することを発表しました。

 Adobeの最高経営責任者Shantanu Narayen氏は今回の買収が同社にとって「ゲームチェンジャーになる」と表現しています。AdobeはOmnitureの資産をどのように活用するつもりなのでしょうか。またウェブ解析市場にはどのような影響があるでしょうか。

 パネリストの皆さんの意見をお聞かせください。読者の皆様のコメントもお待ちしております。


  • 松永 エリック・匡史
    松永 エリック・匡史さん (メディア戦略コンサルタント)
    Adobeの提唱するRIA(Rich Internet Application)の実現を進める上で、全く違和感のない買収です。今回の買収を個人としては評価します。


    AdobeはAIRとFLEXというWebアプリケーションの開発プラットフォームを中心にRIAを実現する戦略をとっています。2008年に発表されたAIRは、Webアプリ開発PFの強化としてWeb開発の強化という意味でオフラインで動くアプリの開発を可能にしています。また遡れば、PDFからRIAのコンテンツの強化の位置づけが、2005年のマクロメディアの買収でアニメーションを扱うFlash獲得への動きです。


    今回のOmuniure買収によって、Adobeは作成されたRIAをさらに評価、分析、最適化を行うサイクルを加えることが可能になり、RIAの継続的なPDCAサイクルを顧客と共に行うことが可能になるのです。AdobeはこのPDCAサイクルを廻す領域に踏み込むことにより、顧客との関係を深め、戦略的なパートナーとしての地位を確立したいのではないでしょうか。


    参考まで、AdobeのRIA全体の役割を整理すると:
    ?Webアプリ開発:AIR、FLEX
    ?コンテンツ:PDF、Flash
    ?ToB向けWebアプリ、コンテンツ作成:Live Cycle

    に対して、
    ?分析、評価:Omuniture
    を加える事によって、???をさらに最適化することが可能になる。

    という感でしょうか。最近ありがちな、マネーゲーム的な理解しがたい買収と違い、今回の買収は戦略上意味のあるアクションであると私はそう思いました。


    Peace out,


    Eric
    2009-09-16 19:14:32

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