世界中のあらゆる情報を整理するというグーグルのミッションが着実に歩を進めています。同社は先日、道路に立った目線で実際の街並みを閲覧できる地図サービス「ストリートビュー」を公開しました。東京、大阪、札幌など主要12都市に対応し、細い路地までが網羅されています。これを使えば、夏休みの旅行の計画に役立てたり、あるいは家にいながらバーチャルな旅行を楽しんだりできそうです。
一方で、プライバシーの侵害を懸念する声もあります。グーグルのカメラに撮影された人は、顔こそぼかされているものの、Google マップに表示されてしまいます。自宅の様子や自家用車なども同様です。もちろんグーグルは、ユーザーからの通報があれば人の顔や車のナンバーをぼかすなど個別に対応していく方針を明らかにしています。
ストリートビューは日本で受け入れられるでしょうか。ウェブの利便性とプライバシーなどの関係について、パネリストの皆さんの意見を聞かせてください。
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便利なので、受け入れられると思います。ニュアンスとしては、「存在し続ける」という感覚に近いですが。
最近プライベートで、引越し先の物件探しをしていたのですが、StreetViewがあれば直接現地に行かずして周辺環境や通勤・帰宅ルート等を事前にある程度確認できるので、時間の節約になります。
一例ですが、そこには非常に明快な利便性があります。
世界をクロールしまくるシステムに自分(や自分が所属するコミュニティの空間)がストアされてしまうかもしれないことに対する基本的な不安感・気持ち悪さはぬぐえませんが、削除対応やぼかし処理を行っているというエクスキューズがあるので、Googleに対して強制力のある形で(たとえば法的な)制約をかけるには、かなりのパワーが必要になると思います。また仮に制約を課せられるほどのパワーが集まったとしても、そこまで至るにはタイムラグがあるでしょうから、その頃には、なくてはならないものとして受け入れているユーザのボリュームもとても大きくなっていると思います。
感度の高い人は、拒否を表明することよりも(※)、ユニバーサルサービスが世界を覆いつくしていくことに自分をどう適応させてゆくか、リテラシーをどうあげてゆくかに専心し、感度の低い人は、特段違和感を表明したりアクションをとるところまではいかない(もしくはStreetViewの存在すら知ることはない)でしょうから、結果的に、そのシステムは存在してゆくのだと思います。
※もちろん、違和感を言語化して社会にフィードバックしてゆくことは非常に大事なことだと考えます
2008-08-11 22:24:00