マルチフォトカラリオ「EP-901F」のあるワークスタイル（前編）

　個人住宅を作品として作り上げていく住宅作家。その仕事は、設計図を描けばいいというものではない。施主（建て主）がどんな家に住み、どんな生活を送れば、居心地がいいのかを丹念に引き出しながら、工務店や職人の方とじっくり時間をかけながら完成へと導いていく。そんな住宅作家である川島千晶さんのアトリエに「EP-901F」があった。「私が欲しかったのは、写真のプリントとFAXの機能です。それぞれ単独のものを持っていたんですが、デザイン的にどうかと思ったので使うときだけ取り出すようにしていました。でも、はっきり言って、面倒だったんですよ。」それが「EP-901F」を購入するきっかけだったと言う。川島さんが欲しかった機能を持ち、アトリエに置けるシンプルなデザイン。「EP-901F」は、機能と部屋の雰囲気をこわさないデザインを併せ持つプリンターとして魅力的な存在といえそうだ。

「最初に写真プリントをして驚いたのは、タッチパネルの画面です」。川島さんが仕事上撮影してくる写真は、施工前の土地だけの風景、施工中の外装、内装、細かなパーツ、完成直後の様々な角度から撮った内外の写真である。それぞれが資料であり、実績になる。形だけを確認できればいいということも多分にあるが、できるだけ目で見た色合いでプリントしたいと言う。「だからと言って、何度もプリントするのは面倒ですよね。その点、EP-901Fは画面上で自動色補正や明るさ調整、コントラストなどカンタンな補正ができる上に、“仕上がりView”でプリント前に画面上でその結果を見られるので、以前よりも無駄なプリントが少なくなったと思います」。納得できなければ、パソコンの画像処理ソフトを使って補正することもあるが、ほとんどプリンターだけで済んでいるそうだ。「たくさんの写真を撮ったときには、画面上で9分割で見たり、インデックス印刷で全体を見てプリントすることもあります」。

　完成した住宅、つまり作品の資料となった画像ファイルをいつまでもパソコン上に残しておくわけにもいかない。ハードディスクにまとめてという手段もあるが、川島さんはCDやDVDに焼いて保存する。「これまでは“○○さんの家”と手書きしていたんですが、EP-901FにはCD/DVDレーベルプリント機能があります。インクの無駄かなと思ったんですが、一度プリントしてみて、そのキレイな結果に、これで行こうと。」レーベルプリントには、1面、4面、バラエティと3種類のレイアウトがある。それぞれ好みの写真を選んでプリントできる。4面に関しては、配置を変更することも可能だ。しかも、CD/DVDトレイが本体に内蔵されているので、操作もカンタン。「レーベルに写真をプリントしておけば、文字だけと比べて内容がわかりやすい。」さらに、ケースを使う場合にはCDケースインデックスプリントでさらに内容がわかるものを作ることができる。「そうやって保存しておけば、そのとき、どんなふうに家を建てていったのかを思い出せるのでいいと思うんですよね。」