エプソンの環境問題への対応は、ライフサイクル(素材製造、製品製造、輸送、使用、廃棄・リサイクル)全般にわたっている。具体例として、2008年後半に発売された最新の複合機「EP-901A/F」の環境対策で見てみたい。
まずはライフサイクルを見てみると、温暖化負荷の割合が高いのは、製品の資材調達や製造の「素材製造」と、ユーザーが実際に使う「使用」であることがわかる。
では素材製造時の温暖化負荷はどうすれば削減できるのか? ポイントとなるのは商品の小型・軽量化と、素材・部品点数の削減などだ。
EP-901A/Fと同じく、2008年後半に発売された複合機「EP-801A」は、小型化された、ボディが目を引くモデルだ。それもそのはずで、2003年に発売された同社の「PM-A850」と比較すると、商品容積は50%減と小型化され、商品を梱包している箱の個装箱容積も39%削減されている。
この新しくなったカラリオ・プリンタシリーズは、「リビングに置いても違和感のないデザインとサイズ」を目指したものだ。そのため、これまでのプリンタ内部が決定してからデザイン、という流れではなく、まずプリンタのデザインとサイズを決めてから、それに合う内部を設計したため、小型・軽量化と、素材・部品点数の削減が一層進んだという。
たとえばインクの圧力を制御する「背圧制御ユニット」をヘッドに一体化するといった工夫により、全体の小型化が実現した。ちなみにこれに合わせ、プリンタの外箱もとても小さくなった。実際、これまでは複合機ともなるとプリンタもその外箱も大きいのがあたりまえで、とても電車で持って帰れるような大きさではなかったが、小型化でそれも現実的になっている。