iPhone級の使いやすさが魅力、「Androidは難しい」人向けの「Pixel 9 Pro」

Andrew Lanxon (CNET News) 翻訳校正: 石橋啓一郎2025年06月27日 07時30分

 「Android」搭載スマートフォンは複雑すぎると非難されることが多い。そして正直に言えば、その主張は多くの場合的外れであるとは言えない。例えばサムスンの「Galaxy S25」シリーズは、「エッジパネル」(画面の端に表示されるサイドバー)や、同社独自のさまざまなAIツールなど、あらゆる部分をカスタマイズできるようにした。しかし、その副作用として、メニューの階層が深すぎると感じる。しかも、Google純正のアプリの他にサムスン版のアプリも用意されているため、写真アプリが2つ、ブラウザーアプリも2つあったりする。

 多くのAndroidユーザーにとって、カスタマイズ性の高さは、シンプルすぎる「iOS」にはない大きな売りの1つだ。しかし、Androidスマートフォンを求めている人すべてが、一日中メニューをいじり回していても飽きないと思っている熱狂的なガジェットマニアというわけではない。

 「Pixel 9 Pro」は、筆者がこれまでに触れてきた中でも指折りの使いやすさを備えたスマートフォンだ。そして、それにはいくつもの理由がある。

  1. Pixel 9 Proの使用感
  2. 主な仕様
  3. 購入のアドバイス

Pixel 9 Proの使用感

 第1に、Pixel 9 ProはGoogle純正のスマートフォンであるため、OSの上に被せるようにして作られたメーカー独自のインターフェースが存在しない。裸の状態の、何も修正されていないAndroidが使用されている。Googleのインターフェースはすっきりしていて見やすく、ごちゃごちゃしていない。また当然ながら、Pixel 9 ProではGoogle純正のAndroidアプリがデフォルトになっている。一方、サムスンのスマートフォンには独自のブラウザーやメールクライアント、フォトギャラリーなどが搭載されているのに加えて、さらにGoogleの「Chrome」や「Gmail」、「写真」アプリも併存している。つまり、主なツールがすべて2つ入っているのだ。

 同じことをやっているスマートフォンメーカーは他にもある。実際、ほぼすべてのAndroidスマートフォンメーカーが最低でも独自のブラウザーとフォトギャラリーアプリを導入しており、サムスンやHonorなどは、電子メールクライアントやカレンダーまで独自に開発している。

 筆者は最近「Honor 400 Pro」をレビューしたのだが、特に問題だと感じた点の1つが、あまりにも多くの不要なアプリが最初からインストールされていたことだった。初めて電源を入れたときから「TikTok」や「LinkedIn」、「WPS office」、「Temu」などのサードパーティーアプリがずらりと並んでおり、自分では何一つアプリをインストールしていないにもかかわらず、何か大きくむくんで雑然とした、複雑なもののように感じられた。Pixelにはそれが一切ない。

 これはAIツールについても同じだ。サムスンのスマートフォンには、AIアシスタントの「Bixby」や、多種多様な独自のAI機能が搭載されているし、Honor 400 Proにも、「OnePlus 13」などの最近のAndroidスマートフォンと同じように、リアルタイム翻訳や音声の書き起こしアプリをはじめとする多くのAI機能が詰め込まれている。ところがこれらの機種には、「Gemini Advanced」や「かこって検索」などのGoogleのAI機能も搭載されているのだ。Pixelには、無意味にAIの機能が2つずつ入っているようなことはない。自分のスマートフォンでAIを使いたければ、わざわざサードパーティーのサービスを有効にしてサインインしなくても、最初からツールが体験の中心に組み込まれている。

 このシンプルさを追求するアプローチはカメラにも及んでいる。デフォルトのカメラアプリを開けば、シャッターボタンとズームを中心としたすっきりしたインターフェースが表示される(もちろん他の撮影モードもちゃんと用意されている)。このカメラアプリは、できるだけ操作が複雑になりすぎないような作りになっており、設定に頭を悩ませることなく、すぐに写真を撮影できる。

 このアプローチは効果的に機能しており、筆者がスマートフォンのカメラにお任せで撮影した写真のうち、特にお気に入りの何枚かはPixel 9 Proで撮影したものだ。特に、露出と発色のバランスがうまくとれている。筆者は「Xiaomi 15 Ultra」のカメラも気に入っているのだが、その性能を最大限に引き出すためには、設定を手動で調整する必要がある「プロモード」を活用する必要がある。このため、撮影する際に自分で細かい調整を行いたいと思っている、写真に詳しい人向けのカメラになっている。

 Pixel 9 Proでも細かい設定は可能だが、それらの設定項目は小さな設定アイコンの後ろにうまく隠されており、「プロモード」に切り替えてすべてを手動で調整する必要はない。また手動でホワイトバランスを調整して、美しい夕日の色温度を上げたいというような人向けにも、簡単にそれを実現できる手段が用意されている。

主な仕様

  • 6.3インチLTPO有機ELディスプレイ(解像度2856x1280ピクセル、1~120Hzの可変リフレッシュレート)
  • Google Tensor G4プロセッサー
  • RAM:16GB
  • バッテリー容量:4700mAh
  • メインカメラ(5000万画素)、ウルトラワイドカメラ(4800万画素)、望遠カメラ(4800万画素)

購入のアドバイス

 GoogleがPixelシリーズを作るのにあたってAppleのアプローチを参考にしたのは明らかだと、筆者は考えている。Androidのファンからは、Appleのスマートフォンはカスタマイズ性が低く「閉鎖的」だと批判されているが、iPhoneの方が操作が簡単なことはよく知られている。iPhoneはハードウェア、ソフトウェア、サービスが一体化しており、スマートフォン初心者か歴戦のガジェットマニアかを問わず、誰にでも分かりやすい作りになっている。

 Appleの「ユーザーに自分たちのやり方を押しつける」アプローチは、iPhoneが成功した大きな理由の1つだが、Pixel 9 Proが提供する体験は、Androidスマートフォンの中では最もAppleが提供するものに近い。もしスマートフォンに分かりやすい体験を求めており、自分には必要ない余計なものに煩わされたくなければ、Pixel 9 Proの購入を検討してみるべきだ。

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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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