サステナブルな技術で先行するFairphoneは、オランダのアムステルダムで現地時間6月25日に開催されたイベントで最新のモジュール式デバイスを発表し、大手スマートフォンメーカーに挑戦状を突き付けた。「Fairphone」(第6世代)は全体が修理可能で長く使える設計となっており、同社によればこれまでで最も低いカーボンフットプリントを実現している。
Fairphoneは他に類を見ないスマートフォンメーカーだ。ありふれた「Android」搭載端末を作るテクノロジー企業ではない、価値観重視の社会的オランダ企業で、倫理的に素材を調し、サプライチェーン全体で働く人々に公正な賃金とボーナスを支払い、工場では有害化学物質からの保護や職場での発言権を確保する。さらにFairphoneは、ユーザーが端末を廃棄したり頻繁に買い替えたりするのではなく、部品を交換して使い続けることを奨励している。
この新製品は実質的にFairphone 6だが、同社は単にFairphoneと呼ばれることを望んでいる。数年ごとに次世代機へ買い替える必要はないという考え方だ。この端末について、FairphoneはAndroidアップデート7回と2033年までのソフトウェアサポートを約束している。
もっとも、これは欧州で購入した場合に限られる。米国では少なくとも最初は、仏Murenaが開発したプライバシーと倫理重視のOS「e/OS」を搭載して出荷される。Murenaは米国での販売代理店も務める。
Fairphoneの大きな売りは寿命の長さだが、ユーザー体験についても妥協していない。前モデル「Fairphone 5」は米CNETのレビューで10点満点中7点を獲得し、iFixitの修理しやすさ評価では10点満点を獲得した。iFixitは電子機器修理のための工具や知識を提供する先駆者であり、修理する権利法案の推進でも最前線に立っている。
Fairphoneは全体的にモジュール式であり、交換可能な要素が多いため修理が容易で、使っていて楽しい。バッテリー、画面、カメラ、ポートなどを交換でき、背面カバーを外せば首にかけるストラップやカードホルダーなどのアクセサリーを取り付けられる。
本体側面にあるライムグリーンのスイッチで、「Google Gemini」のAI機能を含む標準のAndroid 15のインターフェース(少なくとも欧州では)と、通話・カメラ・メッセージ・ウェブ閲覧など主要機能に絞ったモノクロのインターフェースとを切り替えられる。
Fairphone 5で最大の不満はバッテリー持ちとカメラ性能だった。Fairphoneによれば、新機種は53時間もつ大容量バッテリーとAIで強化された5000万画素のカメラを搭載する。これらが約束通りなら、業界が毎年のアップグレードサイクルを続ける中で、この製品を真に将来性のあるものにする鍵となる。
プロセッサーはQualcommの「Snapdragon 7s Gen 3」を搭載。同社は市場にある多数の高性能Androidスマホにもプロセッサーを提供している。その性能も、Fairphoneの寿命を左右する要素となる。
Fairphone 6は英国で499ポンド(約9万9000円)、米国では899ドル(約13万円)で販売される。
Fairphone第6世代この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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