Appleは、音声アシスタント「Siri」の機能をAIで強化する大規模アップデートに取り組んでいる。BloombergのMark Gurman記者の報道によれば、延期されていたSiriのアップデートは現在、社内で2026年春をリリース目標としているという。
このアップデートは「iOS 26.4」とともに登場する見込みで、2024年のWWDCでAppleが発表した機能とアップデートを実現するものとなる。この発表以降、「Apple Intelligence」の多くを取り込むはずだったSiriのアップデートは実現しておらず、同社のAIの取り組みはこれまでのところテクノロジー愛好家を驚かせるには至っていない。
新しいSiriは、さまざまなデバイス上のアプリをより高度に扱える見込みだ。しかしBloombergの報道によれば、Siriの開発はうまくいっておらず、春のリリースは確実ではない。春にまずプレビュー版が公開され、正式版は2026年のiPhone発売に合わせてリリースされる可能性もある。
幸いなことに、AIは現時点で人々のスマートフォン購入の判断に大きく影響していない。先週公開された米CNETの調査によれば、AI機能を理由に機種変更を考える人はわずか11%だった。
Appleの担当者はSiriのアップデートに関する問い合わせにすぐには応じなかった。AppleはSiriの次期アップデートについて曖昧な発言しかしておらず、「来年」に提供するとだけ約束している。
Amazonも、自社および他社のデバイスで利用できるパーソナルアシスタント「Alexa」で同様の苦戦を強いられてきた。Alexa製品は赤字が続き、同社は新しいAI機能を組み込んだ、プライム会員以外は有料になる「Alexa+」の展開を進めており、このローンチにも遅れが生じていた。
Quandary Peak Researchの特許サービス担当シニアディレクターであるVikas Sharma氏は、Siriのような音声アシスタントにAIを統合するのは想像以上に複雑だと指摘する。
「AI統合型の音声アシスタントは、正確な音声認識を行ってその入力を大規模言語モデルに渡すだけでなく、デバイス上でタスクを実行するために適切なAPIを賢く呼び出さなければならない」とSharma氏は述べる。「ハルシネーション(幻覚)や不整合は大きな懸念事項であり、これらのシステムが誤ったAPIを呼び出して間違った、あるいは意図しない動作を引き起こす可能性がある」
同氏によれば、Appleはいつものように、製品が十分に洗練されたものになるまでリリースを先送りしている可能性がある。
「Appleは、準備不足のままリリースして大きな批判を浴びた『マップ』の再来を避けたいのだろう」(同氏)
Sharma氏は、最近のSiri責任者の交代を、Apple Intelligenceが依然として優先事項であることの表れだとみている。しかし、AppleはAI企業を買収するか、大手AI企業と提携して、この分野をリードする意欲を明確に示したほうが良いとも指摘する。Siriにフォーカスしたメッセージの発信も強化すべきだという。
「AIで後れを取っているという印象を変えるには、AppleはAIへの注力を拡大し、その進捗をより頻繁に、かつ透明性をもって伝える必要がある」(同氏)
Bloombergこの記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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