「HHKBといえばUS配列」に転機--JISの販売比率5割に、「プログラマ以外にも浸透」と担当者

 PFUは「HHKB Studio」の新色として「雪」を発表した。直販価格は墨モデルと同じ税込4万4000円で、10月2日からPFUダイレクトで販売を開始している。

  1. HHKB Studioとは
  2. 「US配列」のイメージに転機

HHKB Studioとは

 HHKB Studioは「Happy Hacking Keyboard」(HHKB)シリーズの最新モデルだ。2023年10月25日に発売された。キーボード内にポインティングスティックとジェスチャーパッドを搭載し、キーボードから手を動かさずにカーソル移動が可能になった。

HHKB Studioの新色「雪」
HHKB Studioの新色「雪」

キーボードから手を動かさずにカーソル移動が可能になった
キーボードから手を動かさずにカーソル移動が可能になった。

 また、従来のHHKBシリーズは静電容量無接点方式を採用していたが、HHKB Studioでは押下圧45g、リニアタイプの静音メカニカルスイッチを採用。これによって、1つ1つのキーを取り替えられるようになった。このほか、キーマップ変更ツールを用意するなど、カスタマイズ性が向上した。

 新色の「雪」では、真っ白な雪色をベースに、後ろ側にホワイトシルバーのアクセントを施した。

後ろはホワイトシルバーのアクセント
後ろはホワイトシルバーのアクセント

 キートップは「クールグレー」「無刻印」に加え、「黒刻印」を用意した。黒刻印モデルは、アップルの「Vision Pro」のパススルーでの視認性を考慮した。「visionOS 2」ではマウスもサポートしており、HHKB Studio内臓のポインティングスティックでVison Proのカーソル操作も可能だ。

Vision Proのパススルーでの利用も意識した黒刻印モデルも
Vision Proのパススルー利用を意識した黒刻印モデル(画像=下)も

HHKB Studio 英語配列/雪(Amazon:同リンクから購入すると編集部に収益が発生する場合があります)

「HHKBといえばUS配列」のイメージ薄れる

 キー配列は「US」と「JIS」の2種類だ。

 担当者によると、HHKBにおけるUS配列とJIS配列の販売比率は半々程度になっているという。

 というのも、HHKBはもともとプログラマーに支持されたキーボードであり、「US配列」というイメージが根強かった。

 そもそもHHKBは、東京大学で名誉教授を務める和田英一氏が1992年に発表した論文「けん盤配列にも大いなる関心を」をきっかけにして誕生した。

 同論文では、当時の「PCを買い替えるごとにキー配列が変わる」「無駄としか思えないファンクションキーの乱立」などを問題提起し、1995年にはPCのプロフェッショナルが使いやすい理想のキーボードとして「Alephキーボード」を模型として完成させた。その配列がUSだった。

 そして、PFUの技術者と和田氏が出会い、同氏の理想がHHKBとして1996年に製品化された。つまり、HHKBの源流はUS配列なのだ。

 担当者は、初めてHHKBのJISモデルを発売した際のエピソードとして「当時全盛期だった大規模掲示板で『そんなのHHKBじゃない』と叩かれた」と笑う。しかし、JISの販売比率が上昇し、USと半々になっている現状については「HHKBがプログラマー以外の、ライターやデザイナーといった他のプロフェッショナルに裾野が広がっている」と分析した。

HHKB Studio 英語配列/雪(Amazon:同リンクから購入すると編集部に収益が発生する場合があります)

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]