Googleは、同社の生成AIモデル「Gemini」を「Android」に統合する取り組みを進めている。
同社は「Pixel 9」シリーズを発表した8月14日の「Made by Google」イベントで、AndroidスマートフォンにおけるGeminiの新たな使い方を発表した。例えば、スマートフォンの画面に表示されているものについて、Geminiに質問できるようになるという。
同社は、Pixel向けに開発したオンデバイスのマルチモーダルAIモデル「Gemini Nano」についても触れ、クラウドまたはデバイス上で処理されるあらゆる個人データが安全かつプライベートに保たれる仕組みについても説明した。
画面に表示されたものを指でかこって素早く検索できる「かこって検索」には、選んだものをかこって友人や家族と共有できる新しい共有機能が追加された。
「Made By Google」でGoogleがAndroidとGeminiについて発表した主な内容は以下の通りだ。
2月、GoogleはGeminiアプリに加えて「Googleアシスタント」からのオプトインによって、AndroidでGeminiを利用できるようにした。スマートフォンの電源ボタンを押すか、スマートフォンの隅をスワイプしてGoogleアシスタントを起動するのと同様に、Geminiを有効にして、文章作成の支援を受けたり、電子メールの情報を要約したり、画像を作成したりできる。
同社は「Made by Google」イベントで、Android上のGeminiによってアシスタント体験を再構築すると発表した。これにより、Geminiに対し、まるで人に話しかけるように、より自然に話しかけることが可能になる。14日より、AndroidスマートフォンでいつでもGeminiを起動し、画面に表示されているものについて質問できる。「Instagram」を使っているとき、好きなNBA選手が投稿の中で着ているジャケットについて質問したり、画像を生成して「Gmail」などのアプリにドラッグ&ドロップしたりできる。
Googleはまた、Geminiをアップデートし、「Geminiライブチャット」という「モバイル会話体験」を追加した。これは、宇宙の始まりに関する複雑な質問や、執筆中の脚本に関するアイデアのブレインストーミングなど、Geminiとあらゆることについて会話できる機能だ。Geminiライブチャットは14日より「Gemini Advanced」の加入者に提供される。現時点では英語のみに対応しており、今後数週間のうちに他の言語にも対応していく予定だ。
Gemini Advancedは月額20ドル(日本では2900円)だが、最初の1カ月は無料で利用できる。
サムスンの「Galaxy S24」シリーズで登場した「かこって検索」機能は、スマートフォンの画面に表示されているあらゆるものを素早く検索できる機能だ。現在は「Galaxy S23」「Galaxy Z Fold5」「Pixel 7」「Pixel Tablet」などのデバイスでも利用できる。
Googleは「Made by Google」で、「かこって検索」の新しい共有機能を発表した。この機能では、スマートフォン上で料理や番組などの対象を囲み、その対象や関連する検索情報を他の人と共有できる。共有機能は今後1カ月のうちに、対応するAndroid端末で利用可能になる予定だ。
AIと個人データに関する人々の懸念を和らげる方法として、Googleはプライバシーとセキュリティについて時間をかけて説明した。
Geminiを使用すると、個人データや情報はGoogleを経由することになる。また、電子メールの要約やカバーレターの校正にGeminiを使う場合、Geminiはデータにアクセスする必要がある。Googleは今回、ユーザーの情報をサードパーティーのAIプロバイダーに送信することなく、どのようにこれを安全に実行するかについて説明した。
「Pixel 8」やPixel 9に搭載されるGemini Nanoにより、特に機密性の高い用途の場合、データがスマートフォンから送信されることはないという。
Googleの発表この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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