東日本電信電話(NTT東日本)とKDDIは7月30日、両社が保有する引込線や通信ケーブルの垂れ下がり、切断などの不安全状態解消を相互補完する業務提携の範囲を、同日からNTT東日本全県域に拡大することを発表した。
これは、両社がNTT東日本管轄内の電柱から家屋などの建物へつながる引込線および通信ケーブルの垂れ下がりや切断、台風災害などを起因とした設備の不安全状態を発見した場合、速やかにケーブルを仮吊りするなどの一時改修措置を実施し、通信設備を管理する事業者に対して、発生場所と措置内容の情報共有を実施するというもの。一時改修措置ができない場合においても、発生場所と不安全状態の情報共有を実施し、管理事業者の早期改修措置を実現する。
両社はこれまでも各々に管理する通信設備について不安全な状態を発見した際には、明確な取り決めがないなかでも互いに連絡を取り合い、安全性の維持や早期確保に努めてきたという。2019年に千葉県地域を中心とした台風災害により不安全状態が多発したことを契機として検討を重ね、2022年8月にNTT東日本千葉事業部とKDDIは「不安全状態早期解消」に向けた業務提携を開始した。その後、神奈川県にも対象範囲を拡大し、不安全状態の早期発見や解消に一定の効果を確認できたことから、NTT東日本全県域に対象を拡大したという。
今後についても両社は協力・協調可能な領域を見出し、本業務提携同様に連携することで、地域社会の課題解決と持続可能な社会の実現に貢献していくという。また、労働人口減少などの社会課題を見据え、これまで両社が各々でつくり、守り続けてきた通信設備を、永続的に運用できる新たな枠組みなどの検討を進めるとしている。
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