「YouTube」、リアルなAI生成動画へのラベル付けを義務化

Lance Whitney (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2024年03月19日 12時11分

 「YouTube」では、人工知能(AI)を使用して本物と見紛うような動画を投稿する場合、その情報を開示することが求められるようになる。YouTubeは米国時間3月18日、生成AIなどを利用して改変または合成されたリアルな動画へのラベル付けを義務付けると発表した。そのための新たな機能を「Creator Studio」に追加している。

提供:YouTube
提供:YouTube

 ラベルは、動画の説明欄や動画プレーヤー上に表示される。クリエイターはCreator Studioでチェックボックスを選択するなどして、そのような動画がAIを使用したものであることを開示する必要がある。対象となるのは、実在の人物が実際には発言または行動していないことを発言または行動しているように見せるもの、実際の出来事や場所の映像を改変しているもの、および現実のように見えるが実際には起きていない場面を生成しているものだ。

 2023年11月に最初に発表されたこの方針は、実在の人物、場所、または出来事と誤って解釈される可能性のある本物のように見える動画のみに適用される。YouTubeは例として、以下を挙げている。

  • 実在の人物の肖像を使用するもの。ある人物の顔を別の顔にデジタル的に置き換えたり、ある人物の声を人工的に作成して動画のナレーションに使用したりする場合。
  • 実際の出来事や場所の映像を改変したもの。実在する建造物に火災が起きているように見せたり、ある都市に実在する場所を実際と異なる外観に変更したりする場合。
  • リアルなシーンを生成するもの。実在する町に近づく竜巻など、架空の大事件を描写する場合。

 生成AIを使って幻想的なシーンや非現実的なシーンを作成したり、特殊効果を適用したりする場合は、開示の必要はない。そのような例としては、以下のものがある。

  • アニメーションや、幻想的な世界でユニコーンに乗る人など、明らかに非現実的なコンテンツ
  • 色の調整や照明フィルター
  • 背景ぼかしやビンテージ加工などの特殊効果
  • ビューティー加工などの視覚的補正

 YouTubeは、この方針に繰り返し違反するクリエイターへの強制措置も検討するという。また、コンテンツが人々を混乱させたり誤解させたりする可能性がある場合、YouTubeがラベルを追加することもあるとしている。

 同社は今後、プライバシーポリシーを更新し、個人の顔や声などを模倣したAI生成コンテンツの削除を申請できるようにする計画だ。

YouTubeの発表
サポートページ

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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