Googleは米国時間3月13日、ゲームをプレイする同社の人工知能(AI)エージェント「Scalable Instructable Multiworld Agent(SIMA)」に関する研究内容を発表した。このエージェントは、言葉での指示に従ってゲームの中でタスクを実行できる上に、初めて見るゲームをプレイすることもできる。
この研究に設定された研究課題は、AIエージェントがあるゲームで覚えた知識を別のゲームに応用できるかどうか、そして、プレイしたことのないゲームでどのような振る舞いを見せるかということだ。
この研究の共同責任者であり、GoogleのAI研究部門DeepMindの研究者であるTim Harley氏は、このAIエージェントについて、「SIMAは、人間のユーザーから自然言語による自由な表現で決まった回答のない目標を与えられ、ゲームに元々用意されているインターフェースだけを使って、ゲーム内の環境で行動する」と説明した。「SIMAは、リアルタイムで画面を見ることでしか、ゲームの状況を観察することはできない」
研究チームは、人間のプレイヤー2人の一方が言葉で指示を出し、もう一方がそれに従ってゲームを操作する様子の映像をあらかじめ記録して、その情報を使ってSIMAのトレーニングを行い、人間を真似て「No Man's Sky」「Eco」「Teardown」「Goat Simulator」などのゲームをプレイする方法を学習させた。
チームはその後、移動指示(「左に曲がる」など)や、オブジェクトとのインタラクション(「はしごを登る」など)、メニューの使用(「地図を開く」など)を含む600種類のスキルについて、SIMAの行動を評価した。
DeepMindのリサーチエンジニアであるFrederic Besse氏は、「SIMAは、各ゲームに共通のコンセプトを利用することで、スキルをさらに上手に学習し、指示にうまく従うことができた」と述べた。「ゲーム間での知識の移転がプラスに働いたことは、重要な研究成果だ」
DeepMindは今後、SIMAのパフォーマンスをさらに改善し、最終的に「できるだけ多くの環境で行動してさまざまな目標を達成でき、ユーザーと会話を交わせる」AIシステムの開発を目指すとBesse氏は言う。
同氏は、「私たちは、一般にゲームやシミュレーションは、AIシステムにとって格好のトレーニング場になると考えている」と述べている。
Googleの発表この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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